私の幼馴染み
「郵便でーす。」
私、ナギの職業は郵便配達員。今日もいろんな人々に手紙を届けている。
そんな私には、ジムリーダーの幼馴染みがいたりする。
「どーも…
ってなんだ。ナギか」
トキワジム、ジムリーダーのグリーン。
カントー地方最強のジムリーダーと謳われる男である。
「なんだってなによ。」
「わりわり!
別に変な意味じゃねーよ
で、それは?」
少し機嫌を損ねた私をなだめつつ、視線を私の手のなかに移した彼。
「グリーン宛だよ。全部女の子から」
「またかよ」
やれやれ、というように肩をすくめるグリーンにと輪ゴムで束ねた手紙の束を渡した。
そうだ。
コイツは誰もが認めるイケメンで、こんな風に毎回大量にファンレターを送られてくるのもすでに日常茶飯事と化してしまった。
まぁそれを本人に届けるのは私なんだけれど。
我が幼馴染みながら尊敬するところではあるが
「なんかムカつく…」
「はぁ?」
ボソッと溢した言葉はしっかり本人に届いていたらしく、訳がわからないと言うように表情を歪めるグリーン。
「なんでもない!
じゃっサボんなよ!ジムリーダー!」
「いって!
な、ちょっナギ!?」
怒っているようなグリーンの声を背中で聞きながら、パートナーのルギアに飛び乗って、トキワシティを後にする。
次の配達先はジョウト地方である。
今日も空は快晴だ。
(20110414)