あかりがまぶしい
7.一年生冬
42
 もやしが安くて大根と人参が残っていたから、ナムルを作ることにした。それに、焼くだけのハンバーグ、半額。
 食べ終えた皿をシンクの桶に沈めておき、30分くらいしたら風呂かな、と少し体重を座椅子に預ける。ベッドに置き去りにしていた携帯が光っているのが見えた。
「えっ」
 左良井さんからだった。本文を見る前に、もしかしてと思って送信フォルダを確認する。消したはずのメールがフォルダに鎮座していた。
「送っちゃったのかー……」
 送ってしまったものに返信が来るのはなにも不思議なことではない。新着メールを選んで開くと、まず目に飛び込んできたのが、
『嘘は望むだけだと思ってたのに』
 という一言だった。
『特別は、ただ一つだけの事を言うのよ
 うそつき』
 メッセージはそれだけだった。『冗談だけど』とか『なーんてね』とか、発言を撤回する言葉は何一つ続いてはいなかった。

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