おやすみ


G*H




寒い寒いと言いながら二人で借りたぼろアパートの小さいこたつに身を寄せ合って暖をとる。じんわりとあたためられる足先から、ほっと一息つくと、どうやら睡魔と戦い始めたらしい十四郎の頭がこくりこくりと揺れだした。

「とーしろ?眠いの?」
「んー。」

肩を揺すってみても生返事が返ってくるばかりで、どうやらあちらの世界に片足をつっこんでしまったらしいと悟る。

しようがないかと苦笑を漏らして、この年の男性にしては軽い体を抱き上げた。

無理やり起こして自分で寝室へ行くよう促しても良かったのだが、少しでも体温を感じていたいと考えた結果だ。

案の定暖かい体温はじんわりと心も温めてくれる。

動くたびにさらりと流れる髪に口づけて寝室を目指した。




Good night, a sweetheart


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