04.

寮のリビングに広げられた2枚の写真。

私とはじめくんのI組と、総司と平助と山崎のJ組の集合写真である。

一昨日くらいに撮ったもので、さっき現像が終わったのを土方さんが持ってきてくれた。

「はじめくん……、白いねぇ」
「本当だ。はじめくんと見比べると千陽はまるで黒人だね」

男子と女子を並べても、断然白いのははじめくんであった。
なんかもう白すぎて病気みたい、っていうか寧ろ青白いけど大丈夫か。

「いやそんなに黒くねーよ!そんなこと言って総司こそ………って、あれ、普通に白い…」
「やっぱり千陽は黒いんだよ」

「言っとくけど地黒じゃないよ!焼けたの体育で!」

弁解しようとしていると、平助の指が私の顔を差した。

「ていうか、この千陽、犯罪者みたいな顔してね?」
「犯罪者…!?」

「ぶふっ、あはははは!本当だ!」
「…確かに犯罪者だな」

大爆笑する総司に、山崎まで同調し始めた。

「なんか私ばっかり馬鹿にされててむかつく!」
「じゃあ誰かの探してみればいいじゃない」

「よっしゃ!私を馬鹿にしたことを後悔させてやるぜ!」

はじめくん…、白い!白すぎる!総司は、…………くそう、キマってるな。

「あーあ、やだねぇ、人の悪いところばっかり探す女」
「うるさい総司!!」

山崎、はい、猫目!!
平助…………………、

「ぶっ!はいはい見っけ!」
「お、どれどれ」

「まあ何見つけようと千陽の犯罪者っぷりには勝てないけどな!」
「ふん、これを見てもそんなことが言えるかい平助くん」

私の指の先には、くしゃみ寸前のような顔の平助。
目は半目だわ、鼻の穴は広がってるわ、口もなんか変な形になってるわで、この上ないくらい残念だ。

「…ええ!?これ俺!?」

「ぶはっ!あっははははは!これすごいね平助くん、あははは!!」
「笑いすぎだろ総司!」

「…ふっ、これはひどいな」
「うわ!山崎くんまで!」

「………気を、落とす、な、平助」
「ちょ、はじめくん、笑い堪えながら励まさなくていいよ!」

総司に至っては腹を押さえてひぃひぃ言ってるし、はじめくんまで笑わせた平助の顔は、本当に傑作だった。
これがクラス全員に配られるなんて、末代までの恥だ。
集合写真って怖いわぁ。

明日これ千鶴ちゃんに持って行ってあげよう!そう言うと、全力で殴られた。



集合写真評論会
(そういえば写真撮ってるとき、1回くしゃみしたかもしんねえ…)





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