01.

4月。
とうとう私も2年生になった。

なんとか赤点パラダイスをくぐり抜けて進級することが出来て良かった。本当に良かった。

私ははじめくんと望美と同じクラスで、総司と平助と山崎も同じクラスらしい。
総司と山崎はこれでもかと言うほど仲が悪いので少し心配だ。
平助は…、どこでも生きていけるだろうから心配ないかな。

始業式も終わって、意気揚々と部活に向かう。
やっぱり楽しみなのは新入部員。

うちの剣道部は強豪だし、たくさん来てるんだろうな。
まあ、夏までに半分くらいになるんだろうけど。どっかの鬼コーチのせいで。

「こんにちはー」

がたがたと、少しガタの来てる扉を開ける。
1年間通って、すっかり見慣れた武道場には、すっかり見慣れたメンバーがいた。

「あれ、平助は?」

総司も山崎も既にいるのに平助だけいなかったので、近くにいた総司に声をかける。

「ああ、なんか平助くんの幼馴染みがマネージャーやりたいって言ってるらしいから、迎えに行ってるよ」
「平助の幼馴染み?男?」

「さあ、分かんないけど。男にマネージャーされても困るよね」
「……確かに。女の子だといいね」

「おら、千陽。喋ってんだったら早く着替えて来い。」
「はーい」

土方さんに一喝されて、更衣室へ向かう。
武道場の端には、入部希望者らしい人たちが体操座りで固まっていた。

その人たちの前を通り過ぎるときに、「ちわっ」とお辞儀をされた。…………先輩、かあ。



進級しました
(先輩って、なんだかむず痒い。)







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