murmur | ナノ

hpmi


「そもそも、なんで科捜研なんですか?」
「わたしは、”やれること”と”すべきこと”の円が重なっていることをやってるだけだよ」
「ほう?では、あなたの”したいこと”の円はそこに重なっているんですか?」
「うん?……考えたこともなかったな。でも重なってると思うよ、やってて楽しいし、続けたいと思うし」
「それはやってるうちについてきた後付けの動機でしょう?あなたもともと文系じゃなかったでしたっけ」
「わはは、入間のなかで私は高1のままなのかい?人は年を重ねると変わるもんだよ〜、それは入間がよ〜く知ってるでしょ?」
「どうだか。ま、単なる興味です。最初の動機は?」
「マジで忘れたんだよお、気にしたことなさ過ぎて……入間が警察やるって言ったからだっけ?そんな気がする」
「……はい?」
「だってー、入間が警察になって薬物撲滅!って言いはじめたからさー。それこそ私文系ってかインドアだったし、同じことやれる気しなくて。勉強得意だし、こっちならいけるかな?と思ったんだった、そういえば。なつかしいな」
「……それは、お前……いや、論理の飛躍がはなはだしいぞ」
「飛躍?してる?」
「……俺が軍として出兵するって言ったらどうしてたんだ?」
「え?出兵も視野にあったの?」
「はあ、そうじゃねぇよ。良いから答えろ」
「え〜軍……そしたら軍医?理屈一緒じゃん。腕っぷし無理だから頭が足りる範囲で届くとこに行くだけだし」
「……お前自分が言ってることわかってんのか?」
「分かってるけど入間の言ってることがわかんないよ〜。何が腑に落ちないの?」
「そんなの…………俺に人生ささげてるみたいじゃねえか」
「……ほぉ」
「……なんだそのとぼけた顔……」
「…………ええ?確かに、そうかも?当たり前すぎて気づかなんだ。入間がパン屋さんなるならさすがに私もパン屋さん目指してたかも、パン屋なら同じ土俵でいけそう」
「さっきから医者もパン屋も舐め腐ってんじゃねえ。……じゃなくて、お前それ…… 俺が死ねっつったら死ぬのかよ」
「出た謎理論。言わないじゃん、入間」
「たとえ話だろ」
「言わないよ。入間は」
「っ」
「それでも言うなら……理由を聞いて、場合によっては考えるかな?」
「……っバカかお前」
「大マジみたい。自分も今知ったから気持ちわかるよ」
「……、……、……」
「おもろ。これはドン引きの顔?」
「……、ある意味な。いいですか、バカなあなたに一ついいことを教えてあげましょう」
「その口調は悪いことを言う時の口調ってのは私でもわかる」
「お前、俺の事が好きなんじゃないのか?」

「……え〜〜〜。いや好きだよ普通にそりゃ。好ましい」
「少なくとも、人生ささげて良いくらい想ってくれてません?」
「そうだけど、だとするとどうなんの?」
「お前……こういう時本っっ当にバカだな」
「こういう時以外は天才だしまあ仕方ないよね。わかんないもんはしょうがないじゃん、入間が教えてよ」
「っ…… そうですね。世間一般ではそういう気持ちは恋慕や愛情と言うんですよ」
「ほんとに〜〜?私で遊んでる?」
「まあ、多少事実と異なっていても丸め込もうとは思ってますね」
「なんで?入間って私の事好きなの?」
「……ハァ」
「なにさ」
「……ええ、そうですよ。実はそうなんです」
「え〜じゃあ、オツキアイしましょうって話?」
「っ……テメエ……」
「そういう慣習の知識としてはあるよ。もちろん。実体験がないからフィクションの世界として私は見てるけど、現実でも世の中は”そう”なんでしょ?」
「……それでいいのかよ、お前は」
「んー、わかんないけど……入間なら悪いようにはならないじゃん?」
「……」
「ま、それでうまいこと転がるならそれはそれで楽しいかなって。拒む理由特にないんだよね。ま、嫌んなったら言うけど」
「……そういうところだぞ……」

あまりのチョロさに心配になるけど、後日別の男にベタベタ触られて普通に嫌悪感マックスで拒否ってるの見て安心する入間





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