思えば、イタチ。
あなたはずっと泣いていたね。


何かを堪えて、堪えきれなくなった時あなたは私を抱きしめて泣くの。涙は出ていなかった。でも、心が泣いていた。
私は何も抱きしめかえすことしかなかった。


本当は、愛してるって言いたかった。愛してる、私はイタチを愛してる。ずっと傍にいるよ。ずっとイタチを支えるよ。悩み事があるなら私に言って?何も答えられないかもしれないけど聞くことは出来るから。イタチの苦しみや悲しみを知ることは出来るから。もっと私に甘えて。愛してる、愛してる。私は何があってもイタチを愛してる。


イタチを抱きしめながらいつも心が叫んでいた。でも、口にすることはしなかった。
どの言葉がイタチを傷付けるか分からなかったから。イタチを傷付けたくなかったから。イタチが安らぎを求めて私のところへ来ているのは分かっていた。私は、イタチの中の私の存在価値を失いたくなかった。
だから、言葉は全て飲み込んで、でも少しでも伝わればいいとイタチを強く抱きしめて、イタチがいない夜に泣いた。


忍でない私は泣くことが出来る。感情を殺すことなんてしない。する必要もない。


でも、イタチは忍だ。


うちは一族の期待を背負った優秀な忍だ。初めて人を殺した夜も、仲間を失った夜も、叫ぶ心を押し込めて、平気な顔でいた。
涙は、悲しみや苦しみを心にためないためにあるものだから。イタチは、ためすぎてしまったんだね。


私、なんの力にもなれなくてごめんね。何も出来なくてごめんね。
前にそう言った時、イタチは私はいてくれるだけで十分だと言ってくれたね。嬉しかった。でも、寂しかった。結局私はなんの力にもなれないんだということだから。


イタチ、イタチ、イタチ。
あなたは泣いていいんだよ? 忍である前に人間だから。うちはイタチという、私にとってかけがえのない人間だから。
悲しみをためないで。誰に嘘をついても自分には嘘をつかないで。


そして、笑って。


最近のあなたの笑顔はいつも心ここにあらずだから。私はあなたが泣かないことよりそっちの方が苦しい。
笑ってくれたらいいのに。昔みたいに。私、あなたの笑顔を見たいな。
イタチ、愛してるよ。ずっと、ずっと、ずっと。
お願い、何があっても忘れないで。私があなたを愛してるということを。







大切なあなたへ捧げる愛の言葉



あなたと出会い、そして別れるまで。
私は、とても幸せでした。





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