Q、好きな異性のタイプは?





「腹黒」
「メガネ」
「ちょっと待てそこ。何勝手なことほざいてくれてるんですか?」
「事実を述べたまですが、何か?」
「だよねぇ?」
「違う。断じて違う」
「アリス。自覚症状がないって末期だよ?」
「違うったら違う!…何これいじめ?」
「失礼な。私はアリスのことを思って言ってるのに」
「全然愛情が感じられないんですけど…」
「愛情満点なのにねー」
「え、棒読み?」
「あははっ」
「笑うなそこ!」
「え〜。だって、ねぇ?」
「ねぇ?」
「もうアンタら出てけっ!」
「部屋の掃除をしてあげたのは誰だっけ?」
「今机に並んでいる料理を作ったのは誰だっけ?」
「…すいません。わたくしが悪うございました。どうぞ、ゆっくりくつろいでいってください」
「言われなくても」
「ねー」
「…友情ってなんだっけ?」
「何ぶつぶつ言ってんの?」
「……なんでもない」
「にしてもあれだよねー。高校入学と同時にアリスが一人暮らしを始めるとは思いもしなかった」
「確かに」
「え、なんで?一人暮らしってちょー憧れじゃない?」
「だってアリス、生活力なさそうだし」
「失礼なっ!」
「実際カップラーメンばっか食べてる奴が何言ってんのよ」
「違う。あたしはカップラーメンよりスープはるさめ派だ」
「だからどうした。調理方法が湯を沸かすだけってとこは同じでしょうが」
「それしか出来ないもん」
「真顔で言わないで、お願いだから」
「…なんか話しそれてない?」
「あ…。なんの話しだったっけ?」
「アリスの好みは腹黒メガネだって話し」
「ちーがーうー!何回言わすかな!?」
「アリス」
「…何?ネーサン目が据わってて怖いんですけど…」
「男なんて、害虫以下の存在でしかないの。その中の腹黒なんて論外!いいかげん目を覚ましなさい」
「いや、覚めてるって。ネーサンこそそろそろ現実見なって。いつまで男嫌いでいるつもりなんだよ」
「いつまでも」
「即答したよこの人…」
「どっちもどっちだよね」
「いや、あんたがそれを言うな」
「えっ、なんで?」
「…とにかくさ、あたしの好みは別に腹黒でもメガネでもないのっ!」
「なら何なの?」
「…分かんない」
「アリスの彼氏かー。どんなのかな?」
「………」
「………」
「…やっぱり腹黒メガネしか思い浮かばない」
「もういいって!」







鏡に映る姿を打ち砕く
割れた鏡に映る歪んだ私
腕につたう赤など気にはならない
心はもっとズタズタだから
届かない
どれだけ願っても、届かない


赤く染まった手を掴んだのは、誰よりも優しいあなた




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