時間が迫ってきた。急がなくては。
後ろを振り返らず走り続ける。止まることは赦されない。
ずっと駆けて来た。手を赤く染め続けた。あとは、終わりへと向かうだけだ。
もうすぐ裁判が始まる。裁かれるのは、俺だ。
急がなくては。裁判に間に合わなければ。ちゃんと、裁かれなければ。
俺が犯した罪は重い。


誰かが後をつけてくる。行くなと叫んでいる。俺はそれを無視する。
止まるわけにはいかない。止まってはいけない。
俺は地獄で罪を償わなくてはならない。


だからどうか、そんな必死な声で俺の名を呼ばないでくれ。








待って、行かないで。どこへ行くの?私は追う。大切な人の背中を。
でもどれだけ叫んでもその人は止まらない。
どうして自ら命を縮めるようなことをするの?どうしてもっと生きようとしないの?
あなたの手が汚れているなら私の手だって汚れている。
なのに、どうして裁かれるのはあなたなの?


地獄へ行く?おかしなことを言うわね。あなたにとって生きていることが地獄だったじゃない。それに比べたら本当の地獄なんてぬるいわ。


行くの?どうしても?
…そう、なら仕方ないね。いつかは私も地獄へ行くからさ、待っていてね。
そしたら一緒にお茶でもしよう。地獄ライフ楽しんでさ、今度は二人幸せな人生を歩めるように閻魔様に頼んでみよっか。
イタチと私なら大丈夫。閻魔様なんて余裕で倒せるよ!


…ね?約束だよ?









次こそ幸せになろうね。







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -