Let's battle?


「ムウマ!!」
「ノボリまた逃げられたの?」
「ほっといてくださいまし!!」
むううううう!!と鉄道員の人たちの間を縫うように飛ぶ。クダリさんの横を通れば笑いながらからかわれる。
「申し訳ありませんがどけてくださいまし」
「むうううう!!」
「ごめんね、今日はぼくにはどうしようもないかな」
「むううううううううう!!」
薄情者おおおお!!後ろを恨めしがまく見ていれば、前にいた緑色の何か、まあ鉄道員さんなんだけど、にぶつかった。そのまま弾かれれば、その鉄道員さんの手でキャッチされる。あ、クラウドさんだ。
「なんや、黒ボスのムウマかい」
「む!」
「クラウド!!いいところに、そのまま捕まえていてください」
「むうう!!」
ぎゅと掴まれたままの私はこの社畜があああ!と内心失礼なことを叫びながらもがく。
「堪忍なあ、黒ボスの命令やから」
「ムウマ、はあ、はあ」
ぜいぜいと肩で息をするノボリさん。運動不足ですか?いや私足じゃないから容赦なく動き回ったせいか。
「ああ、捕まっちゃたんだー」
クダリさんも歩いてきて私に視線の高さを合わせて笑う。
「む」
「でも、どうしたの?」
「むう、むう」
「ノボリぃー」
私の必死のジェスチャーは全く通じなかったらしく、クダリさんは息を整えているノボリさんに助けを求めている。
「ムウマにバトルに出るかと聞いたんです」
「……」
目をぱちくりさせたクダリさん、ああそっかこの人たち的にはあんまり理解できないよね。
「バトルしたくないの?うん、まあいないわけじゃないって聞いてたけど、そっか」
「……ええ、まあそうなのですけど」
「いいんじゃない?ノボリ、ゴーストタイプならシャンデラいるし」
「むう!」
そうだそうだ!
「ええ、ですからノーマルでと思ったんです」
「……むう」
ごめんなさい、でも私はきっと技をつかえないし、だから……。
「そうですか」
「む?」
「仕方ありません、あなたが自らで望んで戦うようになるまで待ちましょう」
ノボリさんのおっきい手が私の頭を撫でた。
私は少しうれしくなってノボリさんの胸に飛び込んだ。
「おっと」
「むう」
抱きとめようとしたノボリさんの腕に、素直に収まることにした。
「どうでしょう、今日は見学をするというのは」
ああ、あきらめてはくれないわけだ。
「せやったら、確かジャッキーが今日はようシングル出るで」
「そうなのですか」
私放置で話が進み始めたので、やっぱり逃げようかと思ったけどノボリさんの腕がすごい力で抑えてきた。いたい。
H25.03.18

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