親指は捕まりました


メタ発言連発です、気を付けてください。
ちょっと特殊なかんじです。




「……えぬううう」
私は画面の奥で主人公に別れを告げるNに涙ながらに見送った。そして。DSをぷちっと切ってしまった。
つまり、そういうことである。
私は、Nとの別れが惜しいがためにぶちぎりなるものを繰り返しているわけです。
「あ、あれ」
切ってしまったつもりのゲームがまた点いた。私まだ、起動させてないはずなんだけど。
「何をやっておられるのですか!!」
ゲームに怒られた、壊れたかと思い画面を覗けば、黒と白のドット絵じゃない2人組。
ドット絵じゃないというか、観覧車のNとか、バトル前の特別なトレーナーの感じだ。
てか……誰?
「全く、何回同じ場所で切るんですか、そんなにピュアでイノセント(爆)な電波がいいのですか」
うわ、この黒い人はかっこばくって読んだよ。というか。
「N馬鹿にすんな、めちゃ頭いいんだから!!」
「というかぼく達きみを馬鹿にしてる」
白い方も喋っただと!?というか、こいつら私と会話してない!?
「やっべ、おや、私のDSのようすが……!!」
「きみ、おもしろーい」
って白い方が言ったら、お馴染み進化のあの曲が!!
「え、なにこれすごい」
「クダリ、ふざけるのはやめなさい」
「えー」
「えー」
「あなたも真似をしないでください」
黒い人は真面目さんだねぇ。というかほんとになんだこれ。
「えっとね、きみぶちぎり多すぎ、そんなことしちゃダメ!!」
「わたくしからお願いしますからさっさと殿堂入りでもなんでもしてくださいまし」
「だが断る!!」
えへっとあざとい感じの白い方と綺麗に頭を下げる黒い方が画面に写るが、きりっと断る私かっこよくないですか。
「それを断る!!」
白い方のノリ好きかも……。
「お二人の御名前は?」
「今関係ないでしょう!?」
「ぼく、クダリ!ノボリと一緒にバトルサブウェイでサブウェイマスターしてる」
「……………………ライモンのめっちゃ中央陣取ってるヤツか!!」
最近Nきゅんしか見てないからすっかり忘れてたね。あったなそんな施設。
黒い方がはあ、とため息をつく。
「で、あなたは?」
「……わたくし、ノボリと申します。バトルサブウェイでサブウェイマスターをやっております」
「あ、じゃあ2人は一緒の職業ですか。じゃあなんでこんなとこに?」
今は四天王4人倒してレポートしたとこ。ライモン全く関係ない。
「ぼくらっていうか、手のあいてる人がやるんだけどね」
「あなた様のように無意味にぶちぎりなるものを繰り返す方にはこうやって注意をするのでございます」
「へー」
ああ、じゃあどうぶつの森のもぐら的存在か。
「ほんとはサンヨウのジムリーダーがするってことだったんだけど、裏設定とかいろいろな考察を否定しかねないからって、全く出番のないぼくらが来たんだよ」
「他のジムリーダーの方々はあなた様のせいで足止めを食らいますから」
「あ、Nの城の直前だもんねー、あれかっこいい」
確かにあの部分は主要キャラがいっぱいだ。
「え、ってことはノボリさんとクダリさんも俗にいう主要キャラですか」
「わたくし達はやりこみ要素のようなものです」
「そっ、君が殿堂入りしてそしたらやることは図鑑集めだけになっちゃう、そんなのつまらない」
「ですからわたくし達と戦うのです」
「つまり、バトルフロンティアとかバトルタワーとかってことですかー」
「そーいうこと」
クダリさんがにこっと笑う、おお、かっこいい。
「すみません、ここにはナツキさんとかでないんですか!?」
「なんと、わたくし達ではいけないと申されるのですか!?」
しゃべり方に似合わずエクスクラメーションマークが多いですね、ノボリさん。
「そうじゃなくてですね」
「あれはモブトレ扱いになるから無理じゃないかな」
むっすーと嫌そうに答えられて、悪いことをしたなあと思ってしまう。ノボリさんもなんとなく嫌そうだ。
「そうですか、じゃあ後5回くらいぶっちしたらお二人に会いに行きますね」
「5回もしないでくださいまし」
「また5回もこないといけないじゃん」
「えー、だってまだNが」
「Nじゃ、だめ。ボクらでいいでしょ」
「わたくしもあなた様のジャローダ達と闘いたいです」
なんだこれー、ラブプラスなの?したことないけど。
なにこの展開。
ウインク&真剣な眼差しにぶち抜かれかねない、なんと危ない。私はNくん一筋なんだよ、誘惑すんな。
「じゃあもう時間切れだから行くね」
「ぶちぎりはしないでくださいまし」
ぶつ、と切れたDSの画面には2人はいなくて真っ暗。
「ゆ、夢?」
いや、こんな夢はないわ。いやでも、私のぶちぎりへの罪の意識が。違う、ニンテンドーの素晴らしい技術が……。
悩み込んだ私が「まあいっか」とまたぶちぎりをして、お二人に怒られるのは言わなくてもわかるだろう。
12.12.31

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