朝は目玉焼きでお願いします。


はろー皆様。ポケモンになってしまった元人間Aを担当しております。
只今ポケモンフーズを私に食べさせようとするノボリさんと見つめあいながら交渉をしている最中である。
「むう」
「嫌ですか」
「むう」
わがままを言っているのはわかっている。でも!!元人間にそのポケモンフーズを食べさせないでください。ほらクラスに一人はいた「俺、ポケモンフーズ食べるー」って彼の勇姿を私は忘れない、次の日休んだんだよ!!腹痛なのかは知らないけどね。
「……」
「むう」
「確かムウマはその赤い玉で恐怖心を栄養にするといいますが、それはわたくしトレーナーとしてはあまりよろしいとは言えませんからできる限り抑えてください」
「むう!」
当たり前だよ、というか私にそんな芸当できるとは思えない!
「では何がよろしいんですか?」
ふむと、私が頷いたのを見て聞いてくるノボリさん。
それを聞かれるとね、私とりあえずポケモンなわけだからお前の食い物よこせとは言えないし。……。
「むう」
私はノボリさんが私……つまりシャンデラ……さん?と同じポケモンフーズを取り出した時に見えたマゴの実の方へ行く。
そうこれだ!!人間の食べ物にもなり、ポケモンの食べ物にもなる。むう、とまた鳴いて「これがいいです」と意思を示してみる。
「きのみですか」
少し困った顔のノボリさん?なんで?
「わたくしはあまり外出できる時間がないので、新鮮なきのみを準備できないのです」
「む!!」
そうだったこの人は多忙なお仕事に就いていらっしゃるんでしたね。
「むうう」
うーんと唸ったつもりの私に申し訳なさそうにするノボリさん、あ別に私がわがまま言ってるわけですし……。
「すみません、ですが少し考えてみましょうか」
「むう?」
「確か宅配サービスをやっているお店もあったでしょうに」
「むう、むうう」
さ、さすがにそれは……。
「嫌なのですか」
「むうむう」
「ですが」
この人ほんとにポケモン大好きだな、そう思いながら一か八かノボリさんの今日のお昼を一口頂く。
「あなた、人間の食べ物を食べるのですか?」
「むう」
「……ですが」
私も元人間だからわかるのだが、人間の食べ物とポケモンの食べ物にはいろいろあって、人間の食べ物に慣れてしまったポケモンはポケモンの食べ物を食べられなくなるらしい。
味付けの問題らしく、つまり自然の物では満足できなくなるらしい。
しかし何を隠そう私は元人間だから、当たり前の如く既に人間の食べ物が大好きなのだから仕方ない。
「……仕方ありませんね、あなたは既に食べているようですし」
「むう!」
さすがノボリさん。
「ですが、それはわたくしのものでございます」
「む」
「そう不満そうにしないでください、一緒に食堂にいきましょう」
「むう!!」
割となじんでいる私に少し嫌気は差したが、今日も今日とて生きているから良しとしよう。

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