なつき度@


Uのすぐ後。

「待ってくださいまし!!」
「むううううう!!」
ハロー皆様、私ムウマになってしまった人間Aをしております。
只今モンスターボール片手のサブウェイマスターであるノボリさんと鬼ごっこしております。
「モンスターボールに入りたくない子って初めて見たー」
笑いながらそれを見ているクダリさんは朗らかに笑ってる。笑う前に助けてよ!
「クダリ、あなたも手伝ってください!!」
「んー入りたくないって言ってるんだしいいじゃんかー」
「ですが、これでは手持ちとして登録できないじゃないですか!!」
そんなこと言われたって困るってのにいいい!!
モンスターボール怖いじゃんか。赤いのでピーンってなって吸い込まれるんだよ。
無理だよおお!!
「ぐるぐる行ったり来たり楽しそうだね」
「むぅううう!!」
「一度でいいですから入ってくださいまし!!」
「むうう!!」
「何言ってんのムウマー」
我関せずなクダリさんに助けを求めれば手を広げてくれる、来いってことかカッコいい!!
「むう」
そのままクダリさんの胸に飛び込む。
「クダリ!!離さないでくださいまし」
「ノボリぃ、嫌がってるのにダメだよ」
やだ、かっこいい!!抱きしめられて後ろに庇われる。
「むうう」
「な!!」
すり寄るように顔……体をクダリさんに寄せれば、あからさまに傷ついたような表情に変わるノボリさん。
「えへへ、ぼくの手持ちになる?」
「む?」
「いけません!!」
「えーなんでー」
私を置いて話を進めるのは止めてほしいんだけど。
「わたくしがムウマのトレーナーになるのです」
「でもムウマはぼくになついてる!!」
「それはあなたが猫をかぶっているからでしょう!!」
「じゃあ懐いてること認めるんだー」
悪人面のクダリさんといつもより増して怖い顔なノボリさんがにらみ合っている。私人間の時よりモテてる。はは。
「む、むう」
間に割って入れば、もーなんて言ってクダリさんが見回りに行ってしまう。待って置いてかないで!!今のノボリさんと二人っきりはちょっと!!
「やはりクダリの方がよろしいのですか」
「む?」
分かんないフリしてやろうかと思いつつも、仮にも助けてくれた人だ。
「むう」
軽く体当たりすればノボリさんががばっと抱きしめられる。しまった油断した!!
「一度だけでございます」
「むうう!!」
「嫌でございますか」
「む、むう」
「一度だけです、それからは入れようだなんてしませんから」
真剣にこちらを見てくるノボリさん、腹を括れということなのだろうか。
「むう」
抵抗をやめればノボリさんがモンスターボールではなくゴージャスボールを取り出した。な、なんとこの人金持ちか!?
なんとも言えない申し訳なさと、信じろよ的な意地でモンスターボールの方のボタンを自分で押した。


気持ち悪いなこの感覚。あ、でもモンスターボールの中は超快適でした。でもすぐ出してもらったけど。
「むう」
「ありがとうございます」
こんな感じで親睦を深めたノボリさんと私でしたが、後にクダリさんに聞いた話ではノボリさんは私仲良くしたいがためにゴージャスボールを買ってきたらしい。つまり私のあの行動をノボリさんは「お前となんて仲良くなるかよ、道具に頼りやがって」と取ってしまったらしく、あの後へこんでたらしい。
12.12.28

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