自業自得


飲み会、といいますか忘年会を早めにして年末のラッシュに備えるということになっているバトルサブウェイでは、例によって鉄道員の面々と無礼講の席を設けることになりまして、少し羽目を外しすぎたようで頭が痛いままふらふらしながらなまえ様の待つ我が家へ帰りました。
「只今帰りました」
……。出迎えてはくれませんか、さすがに夜中ですし起きていませんよね。
勝手ながらも一抹の寂しさを感じながら、リビングに向かいます。
「……」
リビングにもいませんでした。いえ、わたくしが先にベッドに入るようメールをしたのですが、なんだかすこし空しい気持ちでいっぱいです。少し前はわたくしに会いたいがためにリビングで待っていてくださっていたのに。
早々とコートを脱いで、なまえがいるであろうベッドに入ります。なまえさまのお顔を覗き込めばやはり眠っておられました。
ああ、お酒の飲み過ぎでしょうか。
この可愛い寝顔を見ていると虐めたくなりました。
彼女に軽くキスをしながら、何度か体のラインをなぞるように手を這わせます。
「の、ノボリさん!!」
「……起きていたのですか」
「ノボリさん私のこと置いて夜遅くまで遊んでるから、ちょっと仕返しするつもりだったのになんですか、これ」
じとっと見てくるなまえさま。
「ああ、あなた様も同じことを考えていたのですね、嬉しゅうございます」
「の、ノボ、ノボリさん……?」
「さあ、愛し合いましょう。明日はお休みでしょう」
耳元で呟けば、ごくりと唾を飲む音が聞こえます。なまえさまも存外望んでいるようですね。
「なまえ、さま」
「ノボリさん……」
そんな目で見られては我慢ができませんね、する気はないですけど。
「ん、ふう……」
彼女の唇に噛みつくようにキスをして、そのまま舌を割り入れます。
「ふ、ぅ……あ…」
くちゅと音が聞こえてきて雰囲気は最高潮を向かえま――ずりっ。
ずりっ?
「ふ、う……」
なまえさまは目を回しておられました。そうでしたなまえさまは下戸でした、しかも極度の。
「なまえさま?」
ダメです、ああ、どういたしましょうか。これは生殺しでございます。

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