ダメな子ほどかわいいらしい(まゆ様)


女体化注意。



「なまえさま!!」
むぎゅなんて音がして抱き着かれた。視界が柔らかい何かに邪魔され真っ黒になり、んっと思考が止まってしまう。
「なまえさまったらそんなに押し付けないでくださいまし」
うふふと笑うこの感じは紛れもないノボリさん、のはず、なんだけど。んん?
「ノボリさん?」
目隠し状態で頭を抱え込まれてるらしい。
私はいつもの遊びか何かのつもりで、目隠しをしてだーれだ?っていうのでもしているのかと思い、見た感じノボリさんのコートっぽい柔らかいもの正体を確かめようと手を伸ばす。
むにぃーと弾力を感じさせながら、食い込むその感じは自分の胸部を思わせ、驚いてノボリさん(仮)を引っぺがす。
「なまえさまったら大胆ですね」
顔を赤らめ、こちらをいつもの三割増しなにこにこ笑顔で見てきている。
「いきなり胸を揉むなんて、驚いてしまったじゃないですか」
いやらしく語尾を伸ばしているノボリさんは無視で、無視できない疑問を投げかける。
「偽乳?」
「残念ながら本物です」
……?
「女だったんですか?」
「どう思います?」
「え、でも本物ってことは、ノボリは男装の麗人で、ん、え、ノーブラ!?」
「つっこむとこはそこですか」
「いや、結構重要ですよね、私の上司が変態になるかもしれませんし!」
「仕方ないでしょう、女性用の下着なんて持っていたらそれこそ本当の変態みたいじゃないですか」
「でもノボリさん女なんでしょう?」
「それが今朝突然女になってしまい、丁度夜勤のなまえさまのことを思い出してここに来たんです」
突然、女になる。
はあ?
「そんな頭が可笑しいもの見るような目で見ないでください!」
「いや、だっていくら私が馬鹿でもそんな突拍子もないこと言われて信じませんよ、ノボリさんにそこまで馬鹿だなんて思われてたなんて」
「もう、なまえさまのおバカ!いっつもすんなり信じてるのに本当のことをなんで信じないんですか!」
ノボリさんはそんな風に起こりながら私をソファーに突き飛ばす。ちょ、この人わざとか!
「な!」
そのまま、ソファーにひっくり返った私の上に跨る。
「退いてください!」
押し返して抜け出そうとするけど、ノボリさんも女のはずなのに全く勝てない。
「ふふん、そんなひっくり返ったアバゴーラみたいななまえさまもかわいいですよ」
「誰がアバゴーラだ!ちょっ!ノボリさん、ほんと退いて!」
「い、や、です」
にっこりハートが後ろに付きそうなテンションのノボリさんが私の頭の横に手を付ける。
「さて、ではおバカのなまえさまにも分かるようにお話してあげますね」
「誰がおバカだ!」
「ではなまえさま、昨日までのわたくしは男でしたね?」
私に顔を近づけ、まるでダメな子を慈しむように微笑むノボリさん。後ろのライトのせいか後光が差してるみたいに見える。
「あ、え、女だったんでしょう!」
「ですから、昨日までは男でしたと何度も申し上げているではないですか!」
頬を膨らまして怒るノボリさん、あざとい。
「え、じゃあ偽乳」
「偽物かどうか、試してみます?」
妖艶な笑みを浮かべながら、そっと私の手に手を重ね自分の胸へと誘導する。
確かな弾力が私の手を押し返しながらマシュマロみたいな柔らかさが包み込む。
「偽物に見えます?」
耳元で呟かれ、ごくりと唾を飲む。な、なんだこれ。
ノボリさんの手が私の身体に這わされ、私が混乱状態に陥って空気に飲まれそうになったところで、大きな音がその部屋に響いた。
「ノボリ兄さん!!なまえちゃん!!」
クダリさんが立っていた。胸には微かに膨らみが見えて、クダリさんも女の子だった。
「ななな、なにやってるんだ二人とも!!?」
「なにってさあ、なんでしょうか」
「……あ、え、?」
よく考えれば私は今ノボリさんの胸に手を押し付けていてノボリさんは私のシャツに手を掛けていた。いつの間に。
「ちがっ、あ、あの、違います!違いますから!」
「なな、何が違うんだ!そんな、職場で破廉恥な真似!!」
「そうですよ、何が違うんですかなまえさま」
さっきの私以上の混乱状態に陥っているクダリさんが顔を真っ赤にして怒鳴る。それに追い打ちをかけるようにノボリさんが油を注いでいる。
「クダリも、仲間に入りたいんですか?」
ふふふ、なら早く言ってくださいまし。なんて誘うように笑うノボリさんの言葉にびしぃっと固まってしまったクダリさん。
「ノボリさん!クダリさんは真面目なんですからからかわないであげてください!」
何故か力の弱くなったノボリさんの下から這い出てクダリさんに駆け寄る。
「クダリさんも、冗談ですよ?いくらなんでも女同士でそんな……」
言い繕う私の肩をがっと掴んだクダリさんがゆっくり顔を上げる。
真っ赤な顔で伏し目がちに見てきたクダリさん。
「女の子同士じゃだめのかな?」
「……へ?」
ぎゅっと抱き寄せられ身体が固まる。やんわりと暖かさと柔らかさが私を包んで、力が抜けてしまう。
「なまえちゃんがいけないんだよ。相談しにきたのに、ね。ノボリ兄さんと職場であんなことして」
耳元で囁かれるいい聞かせるようなクダリさんの声にまるで自分が悪いことをしているみたいだ。


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おめでとうありがとうございます、まゆ様!
大好きなんて本当にありがとうございます。
楽しくにょた書かせていただきました、ヘタレアニクダさん書けていたでしょうか不安ですが、喜んでいただければ光栄です。
リクエストありがとうございました。
これからも朝食をよろしくしていただければ嬉しいです。

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