02


課題もそこそこに適当に自室に入る。
夜更かしだめぜったーいをモットーに生きてる、わけではないが眠いので課題は明日(すでに今日だが)の私に任せることにして、ベッドに潜り込む。
あったかくて微睡む私は先に気付くべきだったかもしれない。いつもより膨れ上がっていただとか、なぜあたたかいとか、いろいろもろもろ。しかし残念ながらもう遅い。
位置を変えようともぞもぞ身じろいだところでドンと衝撃が体を襲った。
もっと言えばその衝撃でベッドから落ちた。そっちの方が正直痛い。
落とされたことで私は近くにあった学習机についているような照明のスイッチを入れる。

「……」
「……え」
「……は」

素敵な三白眼がそこにいた。いやその時点ではまだ眠そうに半開きだったため、三白眼か分からなかったが、今私のベッドの上で私と向かい合って正座している為顔の隅々まではっきりわかる。
顔の隅々どころか爪の先まで、とまでは言えないけど。正座してるから見えるはずはないわけだ。
しかしイケメンだ、ツイッターでテライケメンhshsって呟きたいくらいのイケメンだ。
グレーの髪に細い指、首もほそ
「あの、」
「あ、はい!!」
「夜でしょう、静かに」
「あ」
はいと尻すぼみに答える、あれ私今怒られた?
「すみませんがどちら様ですか」
「いや、あのなまえです……、そちらは」
「ノボリと申します」
ノボリ、へえサブマスと一緒だーいじめられそう。なわけねえ、だーじゃないし、ガチの本物かレイヤーさんかどっちにしろ私の心臓はバクバクだ。
「失礼ですがここはどこでしょうか」
「……私の家の私の部屋です」
それでなぜ入れた。夢の逆トリ成立の確立が高くなってる。いろんな意味で頭がついてかない、というか眠い。
「え」
……ゆ、誘拐でございますか?おずおずと絞り出すように出した声。じりじりと後ろに下がろうとするノボリさん(仮)。
「本物ならせめてテレポート事故を疑え!!」


正直すまんかった。とは思わない。
しかし大の男が誘拐されて逃げようとするものなのか、相手は自分よりかなり小さい女子なのだからどうにかできるだろうに、あのイケメンはもしやそういう人種なのか、まあ私は誘拐したこともされたこともないので知らないが。
テレポート事故説はとっさに出たものだった。ポケモン界ってテレポート事故とかありそうwwとこちらでは有名な話だ。そこそこ多分。
しかしそれなら仕方ない、明日ポケセンに行きますと言われてしまった。こちらの世界にはポケセンはあるけどジョーイさんもラッキーもいないんだが、眠さでつい適当に返事をしてしまった。
とりあえず二人とも眠かった為そのまま寝た。
私が床である。
訳はわからないがなんとなく悪い気がしたのだ、彼の目の下の隈を見た後ベッドを占領するのは。(ヒメグマレベルはとうに超えていた。リングマレベルだ、イッシュ的にいうとツンベアーレベル)
だから足の長い彼は私のベッドで尺が足りないらしいが寝かしてやった。

つまりこのグダグダの夜の出来事こそ私と彼のファーストコンタクトである。

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