リスキーゲーム


最近まったく会えなくて、今日は家にやっと帰ってきたらしいクダリさんに意地悪をするために私は彼の家にやってきたのだ。
「なまえちゃん?」
「ぎゅう」
迎え入れるようにドアを開いたクダリさんに口でわざと言いながら、抱き着いて見せる。
「ど、どうしたの……いきなり?」
「別に」
困ってる困ってる。満足しつつも、いつになっても抱きしめ返してくれないクダリさん。
私もいつまでも玄関先で抱き合って、クダリさんが近所の人に白い目で見られるのは回避したいため、押し込むように中に入る。
ドアが閉まって待ちくたびれた私がクダリさんを放して、中へ入る。いつもの私の特等席に座れば、クダリさんは少し残念そうな顔をしているのが見えた。
抱きしめ返してくれたらなあ。このへタレめと、内心悪態を吐く。
ぽんぽんと隣の空いたスペースを叩いて呼べば、少し不満そうなクダリさん。顔に出やすくて本当にかわいいなあって。
「キスしてください」
目は口ほどに物を言うというより、したそうで、してほしそうな顔をしているクダリさん。
おずおずと隣に座ったクダリさんに唇を突き出せば、引きつった表情で固まってしまう。
「きす、してください」
「なまえちゃん、な、なに言ってるの!」
「キスだとわからないんですか。じゃあちゅーしてください」
「わ、わかるよ!!そう、じゃなくて、そんな」
したいなあって顔してたのにそんなにしぶられると傷つく。
「ここ一ヶ月くらい放置プレイ決め込まれてたかわいいかわいい彼女をまだ放置するんですかー?」
きっと鏡で見た私は相当冷たい目で見ているはずなのに、目をそらして顔を赤くしているクダリさん。
「お、女の子がぷ、プレイとか、言っちゃだめだよ」
私はいらっときてクダリさんを押し倒した。
「なまえちゃん!!や、退いて!」
「嫌」
クダリさんの胸板に這わすように手を当てる。そのまままだ真面目に閉めてある第一ボタンを外す。
「なまえちゃん、ごめんね、さみしかったのかな?」
クダリさんの辛そうな表情にぞくりとして、唾を飲む。ああ、どうしよう、これ以上いじめれる気がしない。
「クダリさん!」
ぎゅうと強く抱きしめる。あ、心臓が早いバクバクいってる。うわあって言いながらもまんざらじゃなさそうなクダリさん。
「好きって言って」
「えっ!?」
「言わないと今日は帰ります」
勿論本気で。
15秒ほど行動が止まって、早かった心臓の音がもっと早くなって、私を退けようとしていた(フリをしていた)腕が私の背中へ回される。
「……好き」
目をせわしなく動いて、顔を横に反らしたクダリさんを満足して起き上がって、クダリさんも起こす。それから足を伸ばして、太ももに頭を乗せさせる。
「え、どうし」
いつも帽子をかっちりとかぶって隠されているクダリさんのおでこを愛でる。髪を手で梳いて、ぎゅううううとわざと胸に押し当てるように頭を抱きしめる。
「ちょっ、なまえちゃん、く、くるし」
苦しくないことくらいわかってるし、やめさせようって気がないことだってわかってる。
ヨーテリーのたいあたりより弱い腕の力にわざと負けて、ゆっくりと力を抜く。
顔が見えるか見えないかのところでも残念そうなクダリさんの顔が見えてついついじれったく思う。
「ずっとそんなのだったら、愛想尽かしちゃいますから」
そう冗談のつもりで、でも少しでも焦ればいいと呟いたら、目の前が真っ暗になった。
唇に少し雑に押し付けられた柔らかいなにか。
「それはだめ」
シャワー浴びてくるね、そう言って耳まで真っ赤にして部屋を出て行ったクダリさんの後姿を見る。
逃げたな。

―――――――

のこさま、リクエストありがとうございます^^
た、楽しみ……あまり期待されると……すみません、素敵なリクエストこんな風になってしまいました。これはへタレ?攻め?……うっすみません、返品は可能です。

そんなに褒められると調子に乗っちゃいますよ///
素敵ストーカー様一名初確保で、テンションがマックスです\(^o^)/
こちらこそ機械関係に強くないせいで原因も分からず、手間をかけてしまいすみませんでした。
よろしければこれからも朝食を宜しくお願いします!!
ご感想ありがとうございました!!

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