Sの極限は殺人だと言うけれど、まさにその通りだと沖田は鼻で笑ってみせた。

「何笑ってんだよ」

薄暗い教室の中で、受験シーズンで忙しいのにも関わらず沖田は携帯をいじっていた。
廊下からドアを開け、その様子を見た土方は怪訝そうに眉間に皺を寄せる。

「なかなか怖いんだけど」
「…Mめ」
「今の言葉の一体どこにそんな要素があった教えてくれ」

呆れて土方は沖田の座っている席の前の机に腰を降ろした。
ドサリと教科書とノートが雑に机に投げ出される。

「……風紀委員のくせに、机の上に座ったりタバコふかしたり…先生にチクりやすぜぃ」
「それならお前も共犯だろ」
「俺はタバコ吸わねぇもん」

今まで見ていたSMサイトを閉じ、携帯をパタンと閉めた。

「せんせーに知られちゃ駄目なイケないこと、してるじゃん」

よっ、と小さな声を出して机から降りる。ゆっくりと歩き、ドアには鍵をかけてカーテンは全て閉めた。

不敵な笑みをこちらに向ける土方に返す言葉はいつも決まっている。

「殺していいですかぃ」

そう言うと必ず、

「いいぜ、一緒に死のうや」

と、言う。
Mめ、と笑ってやるが結局は自分が虐められることになるのがどうしても納得いかないが。

こうなったらいっそのこと後ろで締めまくって、快楽死させてやろうかなんて最近考えていたりする。

「学ラン…脱いだ方が」
「いいだろ別に。イケないことしてるって気がするだろ?」
「……やっぱM」
「そうみたいだな」

だってこんなに興奮してるし。頬を軽く紅潮させた土方はフレンチキスから、ねっとりとしたディープキスに変えてきた。

さりげなくシャツの中に侵入してきた手はやらしい手つきで沖田の胸をまさぐる。
キュッと胸の突起を摘まれ、思わず声を漏らしてしまう。

「ん、…っ!」
「静かに…」

激しいキスのせいで頭がくらりとして、ガタリと椅子から崩れ落ちてしまう。
それを追うように床に手をつき、土方が覆いかぶさってきて完璧に逃げ場はなくなった。

(初めから逃げる気なんて全くないけど)

シャツの隙間から土方の鎖骨が見えて、ザワリと欲情が掻き乱される。解りやすいように首から鎖骨周辺に沢山の赤い痕を残す。

「おい…あんまり見えるところにつけんじゃねえよ」
「何でですかぃ?Mなら見られて興奮しなせぇよ」
「……じゃあお前もSならネチネチ見てねぇで実行に移しやがれ」

受験シーズンだから、いつも以上に土方に人が纏わり付くのも、土方が誰かに教えて貰うのも話すのも。

仕方ないことなのだけれど。
そう思って遠くからガン見で済ませてやっていたのに、なんて男だと苦笑する。

「視姦、してたんですよ」
「よく言うよ」

ズボンの中に手が侵入してきて、弄り始め、快感で朦朧としている中沖田は思う。

(――さあ、今日も存分に締め殺してあげますぜ)

それで土方が自分から離れていかない絆となるのなら、いくらでも、何度でも。











END.




 
空様リクエスト、3Z土沖だったんですが…なんか暗くなってしまってすみません汗)完璧私の趣味というかなんというか…土下座!!


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