何故、こんなにもこの男は自分に執着するのだと改めて総悟は思う。毎夜毎夜飽きないものか。

「っ…あ!も、どきなせっ……」

「無理なお願いだな」

寝ていた自分の上に、容赦なく跨がりいきなり愛撫を始めた土方を総悟は必死に剥そうとするが、この男びくともせず。

「いーかげんっ……夜這いはやめろぃ!」

「仕方ねえだろ」

「何がっ……」

「こうでもしなきゃ、お前は逃げるし、喚くし、騒ぐし。結果的に隙見せねえからヤれねえんだよ」

「掘られるの嫌って何度言えば分かるんでさぁっ」

「嘘つけ」

ぷちゅり、と。
人差し指を後孔に入れられビクンと総悟は反応する。

ほらみろとクスクス笑う土方に、アッパーを食らわしたいところだが、何分両腕は頭の上に纏めて掴まれている。その上……。

「気持ちいんだろ?ここ……」

耳元で囁くもんだから、力が上手く入らない。

「っ……変態」

「お前もな」

「ひゃあうっ…」

グチャと卑猥な音をたてて、土方は指を増やし総悟の中を掻き回す。あえて前立腺を避けて弄れば、総悟はゆらゆらと腰を揺らし始めた。

「どうしたよ?」

「く……しね馬鹿」


「言わねえなら分かんねえなあ……」

そう言うと、土方は指を挿入したまま既に勃起している総悟の自身を口に含んだ。

 
「っん……やめ」

執拗に攻め立ててくる土方の頭を膝で押し戻すが、それくらいで引き下がる筈がなく。
咥えながら上下に出し入れされれば、総悟は耐え切れず熱を帯びた声をあげた。

「はぁ、ん…!」

舌先で先端の窪みを刺激され、身動き出来ない手がもどかしく感じた。一旦解放され、総悟の瞳に映ったのは先走りを堪え切れず溢れさせている自身。

思わず顔を背け、視線を逸したが直ぐに土方によってそれは阻止されてしまった。

「ちゃんと見ろよ総悟。お前のコレ」

「っ……誰が」

「すげえぜ…?」

やわやわと優しく揉まれ、自身からはさらに止どめなく白い液体が溢れ、総悟の下半身を濡らしてゆく。
総悟はその情景に堪え切れず瞼をきつく閉じた。

すると隙有りと言わんばかりに、早急に唇を重ねられ。
固く閉じた唇を少し開けば、生暖かい土方の舌が進入してきた。

「ふぁ、んう…んっ」

上歯茎の裏、内壁、口腟内を隅々まで舌で侵される。
角度を変えて何度も何度も舌を吸われ、最後には銀色の糸を引いてやっと口腟内を出ていった。

酸欠で朦朧としながらうっすら瞼を開くと、近距離に土方の緩んだ顔。

不覚にもその表情に胸打ってしまい、総悟は悔しさに顔を歪めた。

「アンタ……その顔どうにかしなせえ」

「あ?」

「その緩みきった情けねえ顔」

「……誰がさせてんだよ。お前こそ、その顔やめろ」

「どの顔……アッ」

土方は流るる精液を指で掬い、いつの間にか抜いていた指を再び後孔へと塗り付けた。
そのまま精液を潤滑油の代わりにし、今度は奥深くまで差込んだ。
ひくんと総悟は腰を浮かせ、ピストンされる指にまんまと翻弄される。彼のモノも限界がきているようで、反り立ち、腹にまでついていた。

「あっ…ひ、じかたさん、もうっ……ぁ」

その先の行為を促す様に、総悟はねだる瞳で土方を見た。
だが、またピタリと動きは止まり疼きだけがどんどん堪ってゆく。

「な……?」

「さっきも言っただろ?言わなきゃ分かんねえって」

「そ、んなの!無理でさ……」

何を言わされようとしているか、想像するだけでも赤面してしまう。嫌々と首を降り続ければ、仕方ねえなと土方はため息をついた。

「……じゃあ、俺が言ったら真似して言えよ?自分で考えるよりまだいいだろ」

そっちの方が更に嫌だと言いたいところだったが、先を望む限り結局は言わなければいけない。
総悟は静かに頷いた。


くちゅりと土方は総悟の胸の突起を舐め、

「俺の、やらしいここに太くて熱い肉棒を下さい…だ」

そう言い艶めかしく口角を片方あげて、微笑み、音をたてて後孔を弄る。
要求された言葉を聞いただけでジワリとまた彼の自身は疼いた。

「あっ……俺の、やらしいここ…に、っ。ア、アンタのふ、太くて熱い肉棒をっ…ん……ふ…下せえっ…!」

「──了解」

ぐるりと瞬時に土方は彼を反転させ、俯せにさせる。そしてガチガチに堅くなった自身を露になった後孔へと、勢いよく挿入した。

「アッ!んあああっ」

「っ…気持ちいいかよ?」

「っ!い、い…アッ」

「──っ」

シーツを掴み、善がって潤みきった瞳でこちらを見られれば、ゴクリと喉が鳴った。
段々とスピードをあげて律動すれば、それに呼応するように総悟は声をあげる。

「ひぁっ…!あっあっ……ぁあ、んっっ!」

「お前……ヤバい」

乱れに乱れきった彼の姿に煽られ、わき出る欲情は止まらない。ゾクゾクと興奮し、もっと己の手で目茶苦茶にしてやりたいと思う。ぐりぐりと前立腺を狙い抉ってやれば、ひっきりなしに総悟は喘いだ。


「や…はァ、んっ!」

「……っ」

何度も何度も繰り返し律動を行えば、あっという間にお互い限界。額から落ちる汗が何とも言えず官能的。

ひくんひくんと収縮する蕾を見て愉快そうに土方は笑った。

「こんなにヒクつかせて……そんな嬉しいか?総悟」

「っは…黙りな、せぇ……、ぁッ」

「っ…また締め付けてきたぜ?」

「うるさっ……」

つう、と結合部を指で撫で回しわざと水音を響かせた。

「──もうこんなぬるぬるしてるし」

「言、うなあっ…」

「っは…食いちぎるつもりかよ」

土方の言葉攻めに、さらに総悟の後孔はきゅうと彼の雄をキツく締め付ける。そこを意識すればするほど、力が入り土方は顔を歪ませて快感に耐えた。

「っ……は」

「アッ……も、イキそっ……!」

「俺もっ……!」

パンパンと荒くラストスパートをかけ、土方が最初に熱を総悟の中に注入し、その衝撃に後押しされた総悟も絶頂を迎えた。










  翌朝。
隣りでスヤスヤと眠る男を見て総悟はみるみる青褪めた。
(また…ヤっちまった……)

一度犯されて以来、毎日のように繋がりにくる土方を最初こそ本気で拒否していたが。
どうもすっかり抱かれることに慣れてしまった身体は、心のいうことを聞かず結局性欲に負けてしまう。

「んー……」

「…阿呆づら」

伝えて欲しいことも伝えて貰えず伝えたいことも伝えてない。

(別に俺は好きだから、いいんだけど)


それでもやっぱり彼の口から、好きだと聞きたいから。


いつも聞こえてくる夜の足音を、今日もまた待つことにしよう。






end.


(えみ様リクエスト。ありがとうございました!)



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