ぱたぱたと床に落ちてゆく精液を一瞥し、あーあ…と沖田は眉を寄せた。
「…アンタ出ていくの早すぎでぃ」
頬を膨らましながら沖田は俯いていた顔を上げると、土方は壁にべったりと顔をくっつけていた。
(何だあれっ…ヤバい、ヤバすぎる…可愛いすぎだっつの)
まさか自分の精液を止どめようとするとは。いつもなら『うあー気持ち悪ぃ、早くとって下せぇ』と悲願されるのに。
「…何やってんでさぁ、土方」
沖田は怪訝そうに眼を細めた。
「いや、その何だ。お前が…俺の必死に止めようとしてっから…」
恥ずかしいのも上乗せして嬉しくて。
「これ以上見てたら、ヤバいなーと…」
土方は自身を指差した。一度抜いて萎えていたそれは再び勃ち上がりを見せていた。
それを見て優しく沖田は笑った。
本日何度目の笑顔だろうかと土方はドキリとする。
沖田は自分の鎖骨をつい、となぞって、
「…俺ぁ、あんたのもんだっていう証拠が欲しいんでぃ」
先程、自分で傷つけた首を触った。
浅い傷だったため、もうそこはかさぶたになりかけている。