「総悟…」
なんて言ったらいいのか分からないのか、土方は何ともつけがたい表情をしていた。
変な顔と笑ってやると、うるせぇと返され、優しく唇を重ねられた。
「っ……」
徐々に深く重ねられ、舌を絡めとられる。キスは初めてじゃないが、妙に感じてしまい、堪え切れない声が零れ落ちる。
「んぅ……ここじゃ人がきちゃいまさぁ…」
「授業中だから、平気だろ」
「でもっ……」
「…分かったよ」
そう言うと土方は沖田と共に、個室の中へと入り、かちゃりと鍵を掛けた。
嫌な予感がして、
「まさか、ここでしよーってんじゃ…」
と問うて見れば、余裕のない顔で土方は笑った。
「そのまさか」
かあッと沖田の頬にピンク色がさす。
挙動不審に眼を泳がせ、パクパクと鯉のように口を動かした。
「……悪ィ、もう我慢できねー」
「なッ…」
にを、言うんだと。反論しようとしたら、それを塞ぐようにキスをされた。
唇を貪りながら、一つづつ沖田のシャツのボタンを外していく。
銀八とは違う土方の優しさにジワリと沖田は泣きそうになった。
全て外し終え、唇を離し土方はジッと沖田の身体を舐めるように見た。
その視線から逃げようと沖田はきつく眼を綴じた。
眼を綴じたとて、土方に見られていることは変わりはないのだが。顔を背け、紅潮している沖田の頬に音をたてて口付ける。
「…眼、開けろ総悟」
「や、でぃ…」
嫌々と首を振る沖田の両頬を優しく両手で包み込み、耳元で甘く囁いた。
「……俺を見ろよ」
ヒクリと沖田が息を呑むのが分かった。
バッと耳を塞いで、顔を赤くし、はあ…と息衝く姿は何とも官能的。
土方の欲はみるみる掻き立てられた。
耳を塞いでいる手を掴み、そのまま壁に縫い付ける。
そして再び土方は沖田に眼を開くよう催促した。
「なあ…総悟、見ろよ」
俺はお前を見てるぜ…?と意地悪く言えば、長い睫毛を震わせフルリと潤んだ瞳をこちらに向けた。
ぞくりと…欲望が高ぶるのを土方は感じた。
「質が悪すぎまさぁ………ンッ」
余っている方の手でくちゅりと胸の飾りを押し潰され、ビクンと沖田の身体が跳ねた。
その感度の良さに苦笑し、今度はそれをコリコリと指の腹で転がす。