アンタだから嫉妬する。


その髪も唇も。
心も。


何一つ他の奴になんかあげたくない。







「遊……郭?」


「そう、遊郭」


今回、真選組一行は松平の御招きで遊郭に行くことになった。


遊郭に行く意味がイマイチ分からない沖田は壊れたラジカセのように何度も土方に問い掛ける。


「遊郭…ってあの遊郭ですよね?なんで俺らがあんなとこ…」


松平の考えていることはまったくもって理解不能だ、とでも言うように頭を抱える沖田。


「さぁな。まぁ…松平のとっつぁんのことだ。女にゃ縁のない芋侍な俺らにご褒美ってとこか」


つい最近、真選組は大きな成果をあげたばかりで松平は上機嫌だった。


何らかの褒美はあると考えていた真選組だったがよもや、遊郭でニャンニャンなどとは思ってもいなかった。


「土方さんも…行くんですかィ?」


「あぁ、とっつぁんに失礼だからな。てかお前も行かなきゃ駄目だぜ、総悟」
「俺は別に雌豚どもになんか興味ありやせん、従順すぎてつまんねえし」
「お前の趣味はともかくだ。接待だからな、わがまま言うな」

遊郭とは、キャバクラとはまた違う。
男が金を払い女とナニをする場所だ。
そんな場所に、土方にその気がないとしても恋人である以上、沖田はそこには行かせたくなかった。


「なるべく……酒は飲まないで下せぇ」


実際、酒の力は凄い。理性なんか軽くポンととんでしまう。
土方は沖田の頭をぽんぽん叩き、裏のない笑顔をむける。


「どういう意味か分かんねぇが……気をつけるよ」


「約束ですぜ」


本当は一口も飲ませたくないが、しょうがない。
沖田は下唇をきゅっと噛んだ。






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -