ガシガシと頭を掻いて、銀八は沖田に顔を近付ける。
「……例えそうだとしても、俺に抱かれた事実は変わらないよ。
土方、沖田を抱く度に思うんじゃねえ?……"こいつは汚れてる"ってな」
わざと胸に刺さるような言葉を浴びせ、銀八は沖田を追い詰める。
「……煩い」
「それしか言えねえの?可哀相に土方……恋人に信用されてないじゃねぇか――なあ??」
「煩いっ!!!」
バシッと鈍い音が室内に響き渡った。
沖田が銀八を殴ったのだ。
口の端を指で拭い、銀八は妖しく笑った。
「――先生殴るなんて、な。お仕置してやろーか……」
銀八は沖田の両腕を頭の上に固定させた。
「なっ……離せっ」
「そーんなデカい声出していいの?」
(土方……さんっ!)
――もし高杉に土方が己の居場所を聞いたら。間違なく、此処へやってくるだろう。
助けて欲しい……だけど、こんな自分を絶対に見られたくないと沖田は唇を噛み締めた。
シャツとズボンを勢いよく脱がされ、ビクリと反応してしまう。
銀八の手は性急に沖田の花芯に触れた。
「……っ」
(もう、声なんか出すもんかっ……)
声を押し殺していると、これでもかと言う
くらい上下に擦られた。
「―――っ!」
唇を噛み締めすぎて、たらりと血が顎を伝った。
銀八の手で翻弄され、花芯が一廻り大きさを変えた時、銀八は故意に手を離した。
(……?)
舐めまわすように沖田を見て、銀八は妖しく囁いた。
「――お願いしてみろよ」
「っ……誰が!!」
「言わなきゃ、今日一日中犯し続けてやるよ」
「………っ!」
(なんで、なんでこんなっ……)
自分だけが、
こんなに苦しまなくてはいけないのだ。
もう、沢山だと沖田は涙を流した。
「……どっちもお断りでさァ、俺ぁ土方さんのもんでィ。あの人以外にそんなことするもんかっ…」
誇らしげに、沖田はニコリと微笑んだ。
その余裕な表情に銀八は苛つきを覚える。
「じゃあ……どうすんの?」
「――こうすんでィっ!!」
沖田は膝で自分に覆い被さっている銀八の股間を、勢いよく蹴りつけた。
「っ……てめっ…!」
銀八が苦痛でもがいてる隙に、素早く銀八の下から抜け出した。
「……言ってもいいんだなっ!?沖田っ」
最後のチャンスだとでも言うように銀八は、去り行く沖田に念を押した。
「――勝手にしなせぇっ」
(愛してるから、俺は)
いくら軽蔑されても、汚れてると思われても。
俺は、愛してるから。
――どうか俺がアンタを愛してる限り、俺のコト、離さないでいて――。