銀八とのくだらない言い合いは銀八が服部先生に呼ばれるまで長々と続いた。


怠そうに銀八が教室を出ていった後、

ふぅ、と土方は小さい溜め息をついた。


「あのくそ教師が。ほんとに先生かよ」


(その、くそ教師に俺、抱かれたんでぃ…)

ギュッと沖田は唇を噛み締めた。
なんだか悲しくて、自然に瞳に涙が堪る。


「……総、悟 ?」


それを見逃さなかった土方は沖田を心配そうに覗き込んだ。


「――なんでもっ…ない!!」


「総悟っ!?」


勢いよく沖田は教室を出ていった。


一部始終を見ていた神楽が土方に話し掛ける。


「あのサド男、どうしたアルか?」


「……なんでもねえ、気にすんな」


(泣いてた、よな…)


くしゃりと土方は髪を掻き揚げた。
何か自分は沖田に不愉快な事をしただろうか?それとも、違う事でか?
試行錯誤してみたが、原因はよく分からなかった。


「…トシちゃん、あんまりあいつを苛めるなヨ」


「苛めてねーよ…」


神楽は外の景色を見つめながら、独り言のようにぽつりと呟いた。

「結構、あいつ傷つきやすいアル――」






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