drrr! #新静



平和島静雄という人間は。
化け物じみた力を持っていた、けれど。
心は、人間そのものだったし、いや、人間以上に綺麗な心を持っているように思える。
さながら何も知らない無垢な少女のような。
他者共に認める、穢れ切った自分と、同い年なのに、近くにいたのに、何故こんなにも違うのか。
「君は妖精かもしれないね」
「ハァ?妖精ってセルティみたいなやつの事を言うんだろ?俺は違うだろ」
けらけらと笑い。
笑ったかと思えば、遂に頭が逝かれたのかと少し眉を下げながら言う。
(ああ、そうか、)
切り裂き魔の一件以降少し丸くなった静雄は、少し、自分の愛する人に似ていた。
「似てる、」
「セルティに失礼だろ…変な奴だな」
ふわりと笑う顔は、自分の前でセルティが見せるものと、同じで。
「…やっぱり、似てるよ」
自分自身も飲まれてしまいそうな、強さと優しさは、やはりあの愛おしき妖精と同じだと、思った。






人間じみた化物と化物じみた人間は、共鳴し合うのだろうか



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