暗殺 #あなたの言う恋人というのはあなたの考えたもうs



時計の針がてっぺんを過ぎたあたりになるとそろそろ眠いし、風呂も入ったし、となればあとは寝るだけで、二人で寝転がるには少し狭いベッドの上。電気を消して、本当にあとは寝るだけ、なんだけど。
いたずらに小さな体を抱き寄せると、目を見開きながらも、簡単にこちらに体を預けてきた。普段は大人っぽいな、と思う彼がまだまだ子供だというのを、こういうときに実感する。
サラサラでクセのない、地毛だという赤髪を撫でてやると、猫のように目を細くしてすり寄ってきた。こういう仕草も、子供らしくて大変かわいらしい。
「…ね、オジサン…」
すり、となお距離を詰めた彼カルマくんが頬をうっすらと上気させながら俺の胸元をつかんだ。思わずゴクリと唾を飲むと、カルマくんは舌を出して笑った。
「シたいでしょ?ね、しよ?ねえってば」
語尾とか、言葉の選び方は子供らしいのに、淫らな雰囲気に一気に持って行かれる。
いやまあ、抱き寄せたのにそういう意図があったのは確かだけど、こうもあっさり行為に入れるとは思っていなくて、俺は思わずうろたえてしまった。
カルマくんには普段からこんな雰囲気に俺がいくらしようとしても、のらりくらりとかわされまくってきたし、信用できないな、とは思ったんだが…。こんな機会は滅多にない。いたずらっ気が強く、気を抜くといたずらを仕掛けてくる彼がこの後にどんな罠を仕掛けてくるのか怖くても、誘いに乗らないという手はなかった。

「ん…んっ、ふ、…は、ぁ…んんっ!ン!」
唇を重ねて、少し空いた歯の間から舌をねじ込んで口内を舐るとビクビク体を震わせながら懸命についてくる。
いじらしい態度につい意地悪をしたくなって、服の上から乳首を摘み上げると、また大げさに体が跳ねて、トロンと蕩けた瞳が恨めしげに睨んできた。まあ、威力のかけらもない。
「アッ!?そこ、やめて、ってばぁ!」
カルマくんは胸で感じるのがどうも受けいれられないみたいだった。そんなところも可愛いから俺としては嬉しいけど、ジタバタ暴れられるとちょっと困る。ほら見ろ、暴れるから唇も離れて行ってしまった。
「こーら。暴れないでよ。そんな子にはもっとしちゃうぞ?」
ひくり、と頬を引きつらせたカルマくんに見向きもせず、俺はカルマくんの服を剥いて、空いた舌ベロを胸元に這わせた。
「ヒッ、あ、ァ…!や、ンン!!」
吸ってみたり、柔く噛んでみたり、舌を這わせてみたり、そうしているうちカルマくんの声が濡れ始めてきた。瞳を潤ませながら、はぁはぁと荒い息を吐いては、過ぎる快感にどうしようもなくなったのか、すがるように自分の剥かれかけたシャツをつかんでいる。
「んぅ、ねっ、おじさ…ッほんと、そこ、だめッなの、]ねえ、ってばァ!」
ねちっこくなんどもなんどもそうしているうち、抵抗がどんどん本気のものになっていく。それでも面白くて続けていたら、殴られた。
「っもう、ほん、と…やめてよ、っ!」
抱きしめていた腕からするんとカルマくんが抜けていく。めげない俺は彼の息が整わないうちに組み敷いた。
「ッ!?ちょ、とッ!ん
ちゅ、ちゅ、となんどもわざらしいリップ音を立ててキスをする。いやいやとかぶりを振る割に、キスは嬉しそうに受け入れてくれるから、可愛くてどうしようもない、から。
「…かわいい」
?!な、なに言っちゃってんの、ホント…」
思わず口から滑り落ちた言葉をしっかりと受け止めたらしいカルマくんは、一気に大人しくなって、俺の下敷きになったまま腕を背中に絡ませてきた。何度か言い淀んだ後、
「…早くシよ」
と言いながら噛み付くようなキスをもらった。本当に噛まれるかと思うほどの勢いだったのに、舌を絡ませていくとその威勢の良さはどんどん失われていく。
「んン!ふぁ、あぁーー…」
さっき散々嬲ってやった乳首を強めにつまんだら、面白いくらい弓なりに反れた体がピクピクと断続的に震えている。それに笑みを深くして、パンツに手を伸ばすと、そこはもうしっとりと濡れていて。ぬめり気のあるそこをやんわりと撫でてやる。
「アアッ!?や、そこ、ンァ、ぇ、オジさ、」
いつもはそこばかり集中して攻めることがないからか、困惑した瞳が俺を見上げている。そんな風にしているうちにとろとろと先走りが溢れてきて、呼応するようにカルマくんの声も大きくなっていく。
口元がだらしなく開いて、言葉に意味もなさなくなった頃、ようやく奥まった場所に指を這わすと、何度も性交を重ねた成果か、パクパクと誘うように媚肉がうごめいていた。ゴクリと唾を飲み込んで、カルマくんを見やると、じっとこちらを物欲しそうに見つめていた。色の白い体まで薄桃色に染まっている。
「んっ…おじさん…」
もぞもぞと太ももをすり合わせながらこちらを見る目も期待に光っていて、気づかぬうちに俺の息も荒くなっていた。そんな吐息が響くマンションの一室は、異様な空気をまとっている。
手繰り寄せたローションの蓋を乱暴に開け、手のひらに中身をぶちまけてしばらく弄ぶ。温かくなってきたところで、そっと1本、ひくつくそこへと突き立てた。
「え
「…ッ、あ…う、」
中は十分すぎるほどやわく、カルマくんが準備をしてきたということがうかがえた。バツが悪そうにそっと視線を外したカルマくんの意図が読めなかったけど、でも据え膳食わぬは男の恥というか、これを逃す男がいるだろうか?と思ったので、もう1本指を入れて穴をぐっぱり開いてみた。やっぱり柔らかい。すぐにでも入れられそうだ。
「カルマくん、どうしたの、これ」
ッ、おじさん、今日、何の日か知ってる?」
カレンダーなんてないこの部屋でそんなこと言われたってわかるわけがないし、そもそも今日が何日になったのかなんて、把握していない。そんなことなんで聞くのかも、今日が何の日なのかもわからなくて、アホみたいに大口を開けたまま、間抜けな声を出してしまった。
「はえ?」
「たんじょーび、でしょ」
ぽつ、と投げやりに言いたかったんだろう、言葉はとてもあっさりと冷たい。けど、耳まで赤いから、誰が見ても照れ隠しだってわかる。
妙に乗り気だったのはそのせいだったのか。というか、今日俺誕生日だったんだ。今日もうそんな日なのか。
「ありがとカルマくん」
「…こーなるから、ヤだったんだってば」
「…で、ヤるの、ヤらないの。」
はあ、と熱い息を吐いて、く、っと尻たぶを左右に割り開き、じっと俺を見つめる琥珀色の瞳が、何を考えているのかは相変わらず読めないけど、瞳を潤ませて求められたら、止まれるわけがないんだ。
「ヤらせてください…ッ」

「あはッ…いよ、キて…っ!」
八重歯をのぞかせながら笑うカルマくんは、やっぱり子供らしくて、そんな子供にこんなことをしているなんていう罪悪感が生まれないわけじゃない。
だけど、こんな機会を逃していいものか。
「ンッッ!」
「ア゛ッ!は、あぁ
散々痴態を見せつけられて高ぶった熱をねじ込んだ途端に、カルマくんのちんこから、白濁が飛び散る。彼の、綺麗に割れた腹筋にそれが伝って、テラテラと光っている。月明かりに照らされて浮かぶ裸体が、エロい、エロい。
痙攣を起こしている体を気遣ってやる余裕もなくガツガツ穿って、その度に揺れるカルマくんのちんこが可愛いとか頭湧いたことを、余裕ないくせに考えてた。
「あッ!ああっ、あ、あ、あ、ん!んむ…ンァ…は、」
抽送を繰り返すたび、ビュ、ビュ、と飛白色が、果てにはカルマくんの頬を伝う。
俺も限界が近くて、汗をダラダラ流しながらカルマくんの最奥へと種付けするため、一層強く打ちつけた。
チカチカ閃光が走った瞬間、俺は達し、精を叩きつけていた。
ぜえぜえと激しい呼吸を繰り返しているうちに、カルマくんに搾られた精がとろ…と穴から流れてそれにまた勃起した。
「ん…おじ、さぁ…ん、もっかい、シよ

一方的な抽送にも懸命に応えようとしてくれる彼が、拙いキスを返してくれる彼が、こんな風に祝ってくれる彼が、セックスまでしてるってのに、まさか恋人じゃないなんて、誰が思うだろう。俺にだって理解できないさ。




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