暗殺 #悔しくて言えなかった




1週間なんて、毎日のようにセックスしてたのに、って俺の方が我慢できなくなって、でも浅野くんなんかを誘うのはぜっっったい嫌だったから、俺は一人で久々の自慰に耽る羽目になった。
浅野くんに振り回されてばかりで、おかしいな、今まで俺の方が優位だったはずなのにって、ムカムカしてきたんだけど、そんなことよりじくじく疼く体がいやだったからとっとと抜いちゃうことにした。

「んっ、ふ、っ…あ、あー…」
グリグリ亀頭をこねくり回していると、ぬるぬるしたのが出てきて、滑りが良くなった。そこを何度もこすってみる。今まではそれで結構すぐにイケてたのに、なんか上手くいかない。
気持ちいのに、なんか、足りない。…いや、何が足りないのかなんてもうわかってるんだけど。


ホント、初めてしてからはお互い、馬鹿の一つ覚えみたいに会えばセックスばっかしてる関係になっちゃってたから、もう回数は両手じゃ足りないくらいこなしてて、そんなんじゃ俺が開発?されちゃってても仕方ないよね。内容が充実してたのはあの一回きりだっていうのに、それまでのセックスでもしっかり感じてた自分が不思議だけど、この際開き直って、素質があったってことで落ち着かせてる。
浅野くんはあの一件からさらに自信をつけちゃったみたいで、「あの時の君は可愛かったのに」って、俺が彼の言う『かわいい』じゃない時には決まってそう言ってくる。
そんな態度だから、お預けくらってるって、わかんないのかな。馬鹿かな。



「んー…、んっ、んぅ…う…」
刺激を強いものにしてもイケない自分の体が恨めしい。やばい、自分でするとき気持ちいい方法をほとんど試しちゃったから、いよいよ積み始めてる。
や、わかってはいるんだけども。

もどかしさに耐えきれなくなって、俺はついにそろりと奥まった場所に手を伸ばした。なんでそこに触れなかったのか、っていうと恥ずかしさと受け入れられなさ、だと思う。
こんなところ、気持ちくなるわけないし、みたいな。
「だって、ありえないよね…ッ、う、わ…や、っぱ、気持ち悪、いッ」
ぐちゃっといつも使ってるローションが音を立てながら、俺の中にしみこんでく。やっぱり、いつも通りだ。さすがに痛くはないけど、なんか、気持ち悪い。
やっぱ、無理。絶対無理。でもあそこを刺激したら、多分またイけて、多分あの時みたいな、味わったことがなかった快感を得られるんだろうな、って思うと、指を引き抜く気にはならなかった。
何度か指を動かしているうちに、緩んできた穴がきゅ、と指を締め付けてくる。浅野くん、これ痛いんじゃないかな、とか、考えなくてもいいようなことばかり浮かんできて、ブンブンと頭を振って振り払った。
これじゃ、俺が浅野くんのこと大好きみたいじゃん。
なんてことを考えていたら、最近、してないんだよなって思い出してきて。熱がどんどん集まってくる。
ぐちゃぐちゃかき回す動きが、徐々に激しくなって、とうとうそこを探り当てた。
「ひ…!あ、ああっ、んっ…ン
ビクビク体が震えて、慣れない強い刺激に体が追っつかないみたいだ。頭の中が真っ白になって、膝が震えだした。力を入れることもできなくなって、くったりと突っ伏して、余韻に浸ってた。だけど、どうしても、違ったみたい。
なんてことだろう。俺は存外浅野くんとのセックスに溺れてたみたい。




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