美L! #熱の痕



連日の猛暑で、いよいよ俺たちの頭まで沸いてしまったのかもしれない。

ぱたぱた、と滴る雫がリュウの腹に落ちて、凄まじくエロチックだった。
イオよりほんの少し鍛えられた腹筋は筋が浮いていて、ヘソの溝に汗が水溜りのように溜まっている。その少し上には、真っ赤に腫れ上がった乳首が二つ、飾りのように存在を主張していた。
ぐ、と腰を押し付けて奥の奥までリュウの中を味わおうとする。リュウは苦しそうに唸っていたけど、それでも紅潮した頬や潤んだ瞳から、苦しさだけでなく、きちんと快感も拾っているということをイオに教えてくれた。
「は、ははっ、い、ぁ、おっ」
くっくっとリュウが笑う。気持ちよくてどうにかなってしまいそうだ。溶けそう、と、笑う。それをイオもわかっていて、同じく溶けてしまうほどの快感を、腹の中に溜め込んでいる。今まさにリュウの腹の中にぶちまけてしまおうとしているその精を。
「リュ、ぅ…すみませ、も、ぅ…」
苦悶に揺れる瞳が、ついに理性を捨てた。
ばちゅ、ばちゅん、と激しく音を立てて、リュウ尻とイオの腰がぶつかる。
いきなりのことに、まだ脳内処理が完了していない頭が快楽に塗りつぶされていく。
イオとするセックスはいつだって暴力的な快感をリュウに与える。気が狂ってしまいそうな、いや、もう狂っているような、ただひたすら喘ぐしかない、獣みたいなセックス。
「うわ、ぁ、ア、あんっ、うぁ…!」
内壁のしこりをゴリゴリと押しつぶされて、リュウはホワイトアウトする視界を、喘ぎながら見届けるほかなかった。
「くぅ…っ、リュ、う…」
一瞬遅れて、リュウが達して、うねうねとうごめく内壁に翻弄されたイオもまた、絶頂の波にさらわれていった。



「はっ、はっ、…はー、はは、はー…」
「なんですか」
意識を取り戻して、いきなり大笑いを始めたリュウに、イオが訝しげな顔をする。
「はっ、いーや、ほんっと、頭おかしくなるくらい気持ちいいよ、お前とのセックス。」
「私は今あなたの頭を疑いましたが。後遺症か何かですか」
先刻から、いやにリュウはご機嫌だ。こんなの、なかなかない。
「こーいしょー、ね。そうかも」
ふ、と、リュウの目から笑みが消える。
「イオ、俺たちって、やっぱどっかおかしいんだよ。男同士でセックスしたりなんかしちゃってさ。でも、それは後遺症なんだって。」
「なんの、」
つ、とイオの腕に未だ残るブレスレットに触れる。目はもう笑みが浮かんでいる。先ほどまでとは打って変わって、冗談めいた顔だった。
「地球防衛部の?」
「そ。愛を継承してるからかなーなんてな。」


もう、この街に怪人はやってこない。


「ま、平和でいーよな」
もう、先ほどまでの雰囲気は一蹴されていて、もうそれがどういう意味なのか聞いても答えてはくれそうになかった。
「いお、」
「りゅ、」
ウ、という前に唇を奪われた。
うだるような暑い空間で、酸欠を起こしそうなくらい熱烈なキスの…まるで、応酬。これが答えだとでも言うように。
は、は、と乱れる呼吸が整わぬうちに、リュウはイオにまたがった。
ぎゅう、とイオの手を握りしめて、「イオ」と甘く啼かれたら、答えないほどイオは人でなしでない。
「ん、ぁ、はは、いお、いおぉ…」
もっと、もっと深くへと求めていく。涙をこぼしながら。積み重ねてきた日々に重なる。
まるでムードのかけらもないあの頃の風景が、思い起こされる。
いまと何にも変わっちゃいない。
「ねえリュウ、覚えてますか?君を初めて抱いた日のこと…」

「こんな風に、暑い日でしたね」

「うっわ、な、っつ、かし、ぅ、あ…ぁ、ははっ」
「ふふ、でしょう?」
戯言を言い合って、セックスをして、眠って、またセックスをする。




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