Free! #臆病者ども



幸せ時間はすぐに消えてゆく。
暖かな温もりが消えてゆく。
いつまでも一緒にいたい。互いにそう思ってる。
それなのに、その思いを伝えることができなくて。
どうしても、できなくて。
「アッ、ああっ、は、るぅ…!」
ビュルッと精を吐き出し、死んで行く精をぼんやりと見つめている。
頭の中ではわかっている。ふわふわしている頭でもわかる。
こんなの、おかしいって、間違ってるって。
パンパンと穿つ腰の動きは止まらない。気が狂いそうなほどの快感が真琴を襲い、おかしいとわかっている頭が飛んで行く。
「真琴、まこと…!」
いとおしそうに名前を呼ばないでほしい。
勘違いしてしまうから。これが恋だと、愛だと、勘違いしてしまうから。
どうか助けてくれないか。
こんな関係を止めてくれくれないか。こんな、間違いを、ただしてくれないか。
「ハル、ちょ、まって、ほんと、まって、おかひく…!なるぅ!」
ひどい快感が襲う。襲う。
もうやめてほしい。こんなの、だって、終わってしまえば、また温もりが消える。
そんなのは悲しすぎるから。
だって、大好きだから。
愛しているから。
遙が好きだから。

どうしてこんな風になってしまったんだろう。
どうして、セックスなんてしてしまったんだろう。
つながりなんて、求めなければよかった。
セックスなんて、いつから始まったんだろう。
触り合いから、いつの間にか
セックスに。
きっと、セックスフレンドなんだ。
そう、思わないと、もう、やっていけない。


「まこと、泣くな」
キスをすると真琴はいつも泣く。
勘違いだと、否定してしまうから。
遙はムッとする。こんなに好きなのに、伝わらないこと。
伝えられないこと、伝えるのが怖いこと。
お互いが臆病で、どうしようもない。


「じゃあね、ハル」
毎回セックスが終われば、永遠の別れのように感じてしまう。
冷たいシーツ、くしゃくしゃのシーツ。ぴっちりと着込んだ制服。
さよならをいうみたいで、切なくて。
でも、伝えることはできないまま、セックスを繰り返す。
また、過ちをくりかえす。
いつか、いつか、伝えられるのだろうかと、臆病な自分たちが、涙を流している。
心はいつでも泣いている。
それでも、伝えられないまま…




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