Free! #あなたのためならなんでもできちゃうの



真琴は遙と二人でアイドルとして活動している。
決して活躍しているとは言えず、売れないアイドルだが、真琴はいつか売れると信じて奮闘しているが、遙は売れる売れないは関係なく、ただ歌うことが出来ればそれでいいらしい。
そこがなんとも遙らしくて、真琴は好きだ。
二人のユニゾンはとても甘く、美しい。
アイドル仲間?ライバル?後輩?の怜がいつだか言っていた事だが、本当に美しいとごく僅かなファンの間では話題になっていた。
真琴としては遙の透き通った水のような声を、バックバンドと共鳴するような声をもっといろいろな人に聴いて欲しく、出来ることなら、一番のライバルである売れっ子、凛と同じステージに立ちたいと思っていた。
元は同じグループとして活動して居た凛だが、脱退し、歌声を磨くため声楽を習ったり、ボイストレーニングに励んだりと、とにかく努力家で、今ではその力強い歌声で皆を魅了している。
そんな凛のように、遙だってなれるはずだ。
ただ、真琴が足を引っ張っている気がして、なんとも歯がゆかった。
真琴は正直歌が上手いとは言えない。
確かに甘く美しい声をしているのだが、ライブになると力が入ってしまい、うまく行かないのだ。
もっと真琴が努力すれば、きっと売れるはずだ。
だって、遙には才能がある。
しかし、遙は一人では嫌だと言った。真琴と一緒がいいと言った。
真琴だってそうで、その想いに応えたかった。
「もっと、頑張らなきゃな。」
真琴の努力は、きっと正しく出来たら報われた筈だった。
こんな焦りがなければ。


そんな時、社長からとあるお声がけがあった。
「枕営業と言うものを知っているかい?」
君にそれをして欲しい。
真琴は社長の言うことだ、従わない訳にはいかないと、それを了承した。
条件として、大々的に遙と真琴を推してくれると社長が言ってくれたから。
(俺ができる事って、これくらいだから…)
真琴はどこまでも自己評価が引くく、それを皆は怒る。
だが、それは簡単には治らないのだ。
それに、遙には早く売れて欲しい。
自分も遙と共に売れっ子になりたい。
だから、だから…。
「…わかりました。俺、…いや、僕、やります、」
真琴はこの道を選んだ。


訪れたのは高級ホテルの入り口、マネージャー、渚が心配そうな顔をしながら案内してくれた。
「まこちゃん、分かってるの?僕、まこちゃんとハルちゃんならすぐ売れるって思うんだけ「いいんだ、行ってくるよ」
渚の言葉をさえぎって部屋のドアを開けた。
緊張は不思議としなかった。
きっと、それどころではないくらい、焦って居たのだろう。
「やぁ」
現れたのは、とある現場で会ったことのあるお偉いさんだった。
そこで漸く真琴はこの現実に焦りと、恐怖を感じ始めた。
(この人に、俺、抱かれちゃうの…?)
男はやり手の若いディレクターで、沢山の音楽番組を担当している。
彼に気に入られれば、売れることは間違いないだろう。
しかし、もし気に入られなかったら…。
真琴が抱いた恐怖はそこにもあった。
沢山の感情が渦巻いて、緊張で身体が竦む。
男は笑いながら、「大丈夫、優しくする」と耳元で囁いた。
不思議と気持ち悪いとは思わなかった。
そんな自分が怖かった。
「んっ…あの、こんなところで、するんですか…?」
ここはまだ入り口で、流石にこんなところでしたくない。
「そんな事しないよ…。ベッド行こうか。シャワー、浴びて来たんでしょ?」
確かにシャワーは浴びて来た、だが、緊張で身体中嫌な汗でびっしょりだった。
「あの、俺、汗かいてしまってて、もう一度浴びたいです…」
すみません、といってシャワールームに向かおうとする真琴を男は引き止めた。
「そのままでいいよ、そのままがいいな…まこちゃんの汗、舐めたい…」
思わず驚きと自らの汚い部分を受け入れられず、悲鳴を上げそうだった。
「ひぅ、きたない、から…っ」
「いい、気にしない」
寧ろそっちの方が興奮するなぁ…と抱き寄せられて、男の昂りを感じて、ドキドキした。
遙が好きだ。恋愛的な意味で、自分が受け入れることを何度も想像した。
男が遙のように思えて、なんだかとても嬉しかった。
「したい、です…××さんとセックス…」
遙じゃなくても、この人が遙だと思い込めば簡単に抱かれる事ができる。
実際アナルを使って自慰もしたことがある。
これなら直ぐに抱いてもらえる。
そして仕事をもらうんだ。
そう思ってわざと甘えるように男にすり寄った。
「まこちゃんは甘えん坊だね」
チュッ、とバードキスをして、ベッドに押し倒された。
バスローブを身に纏った男は直ぐにそれを脱ぎ捨て、昂りを真琴の手にそっと触れさせる。
「あっ…××さんの、硬いぃ…すご…」
しゅ、しゅ、と自ら扱いていた。頼まれもして居ないのに。
仕事が欲しい。真琴の興味は男に抱かれること。
だから簡単に自ら行動することが出来た。
「エロいよまこちゃん…ッ!キモチ…」
真琴も脱がしやすい格好で来た。男は性急に纏った衣服を引き剥がして行き、真琴の少しムッチリとした身体を堪能するように頬を胸元に擦り寄せた。
引き締まった胸筋がまるで女性のそれのように、ふっくらと丸みを帯びている。
それに男は大層興奮したようで、そこを中心に胸の蕾を甘噛みし、ムッチリとした胸を揉みしだいた。
まるで女性に愛撫するかのように。
「うん…ッ、おっぱい、いやぁ…っ」
「お仕事あげないよ?まこちゃんがもーーーっと乱れてくれたら、俺いっぱい二人に仕事あげる。だからこのまま…ね?」
そう言われたら返す言葉はYesしかなかった。
胸だけの愛撫はもどかしいく、正直ムクムクと育つ下肢が気になって、もぞもぞと脚を動かしてみたりしたが、男は気付いているくせに何もしてくれない。
乱れろ、とはこう言うことなのだろう。
「××さん…俺のオナニー、見てくださ…もっと、乱れた俺を見て…?」
足元まで脱がされていたズボンを完全に剥ぎ取り、ビンビンに育ったそこは無視して、後ろの穴、アナルに手を伸ばす。
近くにあったローションを塗りたくった指で一気に二本の指を突き刺した。
「…ッ!!!ひっ、あっあ゛っ」
びゅく、とそれだけで精がダラっと流れ落ち、それだけ焦らされていたことを痛感する。
そして、達した後の蕩けた顔でへらりと男に笑いかけ、「キモチ、よかったれす…ぅ…もっと、××さんのおちんちんで掻き回して欲しい…」
駄目、ですか?と小首を傾げ、懇願する。
瞳は強い快感によってウルウルでチワワのようだ。見た目は完全に大型犬だけれど。
「まこちゃん…!エロいよエロすぎっ!俺のおちんちんそんなに欲しいの?!もう、入れていいの?!おっぱい弄りながら入れちゃうよ?こんなにエロいなんて…AVの方が向いてるんじゃないの?」
「……俺は…遙と一緒に歌いたいんです!だから、××さんとセックスして、音楽番組に出て、遙の声を届けたい!セックスもきっと好きなド淫乱だけど、俺は…うう…」
そう、遙と歌いたい、遙じゃなきゃ駄目なのは真琴なのだ。真琴の気持ちを知っているから、遙は先に言ってくれた。望んでいた言葉を。
だから、このままセックスしなくちゃ。
「早くぅ…入れて…!」
自らヒクついた孔を見せつけるように広げて男のペニスを待つ。
男は直ぐに入れてくれた。
「あ、あああああああっ、いっ、たぁ…っ」
初めての痛みは相当なものだったが、男のペニスの熱さ、強烈な異物感、そして、耐えきれないほどの快感に酔いしれ、発した声は甘い色の方が強かった。
「まこちゃんッ!いっぱいお仕事あげるからねっ!これからもしようねっ!」
「は、はぁッあっ、いっ」
ギチギチの孔に、男は直ぐに絶頂を迎え、真琴も吐き出された精にピクリと身体を震わせ、弱々しく精を吐き出した。



「見て見て!遙さまかっこいい
「いやいや、真琴くんの方が癒し系って感じでわたしは好き
きゃあきゃあと黄色い声を発する女の子たち。
二人は音楽番組番組に無事出演し、遙の透明感のある歌声、真琴の甘ったるい歌声、二人の相性の良さに、ドカンとファンが増えた。


「やあ、まこちゃん待ってたよ」
「俺も、会いたかったです…××さん」
一つの歪が発生してしまったけれど…。



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