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Side:R
真琴先輩と僕は今でも仲がいい、と思う。
というか、真琴先輩は高校時代の仲間の中では僕が一番なんじゃないのかと言うくらいに僕とばかり話をしているだろう。
距離の問題ではない。渚くんと僕は普通に今でもうるさいほど会話をしているから、違う筈だ。
渚くんから真琴先輩の話題を振られる事がなくなり、遙先輩と凛さんに会っても真琴先輩の真新しい話題が出てこない。
多分、僕と真琴先輩が今でも交友があるとは思っていないのだろう、会話の中に、真琴先輩の話題が出る事は、本当に少なくなった。
だから、僕と一番仲がいいだろう、という結論に至った。
でもそれは酷く不自然な形だと思う。真琴先輩と仲良くなったのは嬉しいけれど、そこにはみんながいて、特に、遙先輩が居ないと、駄目ではないか、と強く思う。
こんなの、おかしいですよ、真琴先輩。
あなたは七瀬遙の何だと思っているんだ。
大切な人、なんですよ、僕には分かります。
短い間しか2人がしゃべっているところを見ている事は出来なかったけれど、表情が、声色が、語っていた。
七瀬遙の特別は橘真琴だと。
そして僕は思ったんだ。
橘真琴の特別だって七瀬遙でしょう、と。
そう、遙先輩に高らかに言ってやったときの遙先輩の顔は、多分僕には一生忘れる事が出来ないだろう。
もっと2人が笑い合って居るところが見たいです、昔みたいにそれに混じりたいんです。遙先輩、真琴先輩。




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