17歳
「そうですね」

「まあ二宮さんや生駒さんより、本人たちの気持ちが1番知りたいんだけどね?」

犬飼先輩、こういう話好きだよな…。

「まずー、辻ちゃんはなまえちゃんのことどう思ってるの?」

急に話題を振られて、新之助は「え?」と間抜けな声を出した。

「え、じゃなくてさー、辻ちゃんはなまえちゃんのこと好きとか無いの?」
「多分、犬飼先輩が期待してる答えは出ませんよ」
「いいよ」
「好きか嫌いかで言ったら、好きです」

別に嫌われてるとかは無いと思ったけど、改めて言われると照れるな。ヒューヒューとか分かりやすく出水や米屋が囃し立てる。

「でも、家族とか兄弟の好きです。幼馴染なんで」
「なまえちゃんも?」
「そうですね」

なんだー、やっぱりそうかー、と言いながら犬飼先輩は次は隠岐に振る。

「隠岐くんは?なまえちゃんのこと好きでしょ?」
「好きですよ」

おっ、と犬飼先輩たちは過剰に反応するが。

「でも、おれの好きも犬飼先輩らが期待する好きとはちゃうと思います」
「あんなに一緒にいるのに?」
「なまえとおると、なんか落ち着くんすわー」

良い笑顔で返す隠岐。思う以上の反応が返って来なくて、残念がる犬飼先輩はこちらを向いた。

「じゃあ、なまえちゃんは?」

ニヤリとする犬飼先輩にため息をつきながら、何とか話題を反らせないかと考える。だって別にこれ答える必要ないでしょ。
そして、ふと良いことを思い付いたので、そのまま声に出して提案してみた。

「あー、えーっと、せっかくだし、混合チーム戦しません?」
「お、良いじゃんやろーぜ!」

1番最初に反応したのは米屋だ。戦闘狂の米屋を乗せてしまえば後は簡単。どっちかって言ったら皆、人の色恋よりもランク戦とかの方がずっと興味があるのだ。最初に話題を振った犬飼先輩も、混合チーム戦と聞いて、ちょっと興味が移ったみたいだ。しめしめ。

「このメンバー、すげーちょうど良くね?」
「何が?」
「近中遠のバランス」

米屋に言われて周りを見ると、今ここに集まっているメンバーのポジションがアタッカー、シューター、スナイパーが2人ずつだ。
確かに2つに分けて両チーム近中長がいることになるから、チーム戦するにはちょうどバランスが良い。
適当に提案してみたが、なかなか良い案だったらしい。

「私もうすぐ防衛任務だから1戦しか出来ないけど」
「良いじゃんしようぜ!」
「チーム分けどうする?」

それに、なんだかんだ言っても、私が色恋よりもこうやってみんなでワイワイしながらランク戦したりするのが大好きなのだ。


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