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※微裏とまでは行かないけど、それっぽい表現あります。注意!!
視界いっぱいの肌色、揺れる黒、濁った白、そして、赤。今見えている色を全部混ぜたら、胎児の視界と同じ色なんじゃないか、そう思った。
臨也に誘われて、あたしは今、臨也のベッドの上にいる。寂しかったのかも知れないし、悲しかったのかも知れない。
2人の体液がぐちゃぐちゃと混ざる音が気持ち悪い。自分の口から漏れる人間じゃないみたいな声が遠く聞こえる。
"はじめて"なはずなのに、不思議と痛みは感じなかった。恐怖とか、そーゆーのも全然。
ただ、あたしを支配していたのは不快感と喪失感、芝居じみた愛だけだった。
「愛してる」
その言葉に、ふと見上げると、あたしに覆い被さる臨也はいつもじゃ見ることの出来ない必死な表情で。それが作り物なのか判断出来るほど、あたしは大人じゃなかった。
偽物の愛かもって思いながら、愛されたふりする可愛くないあたしを、臨也は可愛いと何度も囁く。でも、きっと、臨也のことだから、あたしが疑ってんのも気づいてるのかもしれない。
「愛してるよ、なまえ」
何かを求めて、ここにいるはずなのに。
そのときやっと、あたしは大事なものを失ったんだなぁと思った。
誰でもいいから愛されたい。それはいけないことですか?