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「もしも明日世界が終わるとしたら」

きっと千秋先輩は、根っからのアイドルでヒーローだから。ライブをするにしても、世界が終わる原因と戦うにしても、最期の最後まで、誰のためじゃなく皆のために過ごすんでしょう。

私はそんな千秋先輩を誇りに思いながら、でもやっぱり寂しい気持ちで、いつもと変わらず千秋先輩の背中を眺めて過ごすんだろうな。


昨日見た夢が、覚えていないけど何か悲しい夢だった気がして、色々と不安になって。
ほんのちょっと物悲しい曇り空の秋の昼下がり、私は千秋先輩にそう言った。


「しかし、明日はまだ世界は終わらないだろう?」

それならば、変わらずなまえの隣にいるだろうな。

千秋先輩は、真っ直ぐに答えた。
千秋先輩は、嘘は、言わないんだ。


だから今日はまだ幸せな夢を見れる。そんな気がした。

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