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防衛任務までの待ち時間に、本部にある自販機で飲み物を買うてると、みょうじが来た。隣に立ったみょうじは自販機の方を見たまま俺に話しかける。
「水上って意外と肉食系だったんだね」
「何の話やねん」
「水上は押せ押せタイプって犬飼が言ってたよ」
ああ、この前同年代の奴らと話したときに、そないなこと言うた気がしたなぁ。
「『押して押して押し倒せ』なんでしょ?」
「あほか!ちゃうわ!『押して押して押しまくれ』や!」
買うた飲み物を口に含んだ途端、とんでもないことを言うので、吹き出しかける。「きったないなー」とか非難されるが、誰のせいや思うてん。
…それより、なんつー噂が出回っとんねん。絶対悪意のある曲解が加えられとるやろ。
しかし真相を知ったみょうじは、何となくつまらなそうな言い方で「なーんだ」とこぼした。
「水上なら押し倒されても良いかなって思ったのに」
自販機に金を入れながら、なんてことないことを言うようにみょうじは爆弾を落とす。
「あほか!ほんまにあほか!」
「そんなにアホって言わなくても良いじゃん」
「勘弁してや…」
吹き出した飲み物を拭った手で、今度は頭を押さえる。
「他の奴にそないなこと言うなよ」
「水上だから言ったんだよ」
みょうじ、俺がお前に気ぃあるの知っててそんなん言うてんなら、ホンマあかんで。