title
※大学生パロ
※小堀視点



高校を卒業してから何度目かの夏休み。久しぶりに集まろうぜと声をかけられて集まると懐かしい気持ちになった。

結構な人数が集まったので、居酒屋のいくつかのテーブルに別れて座った。俺が適当に座った席の前に森山とみょうじが来て座って、相変わらず森山が女子とお近づきになりたいとか言って、それをみょうじがなだめていた。それはそうと、高校の頃からかの疑問なんだが、


「そういえば、森山とみょうじって何もないの?」
「は?みょうじと?ないない」


森山の答えにみょうじもうなづいた。


「めっちゃ仲良いじゃん」
「中学から一緒だからじゃない?」
「でも山田とかはそんなじゃないだろ?」


そう言いながら、別テーブルに座る山田を見る。山田も森山みょうじと同じ中学だったはず。


「あー…そっか。まぁ確かになんでだろ?」
「今までなんにもなかった?」
「いや、なんにもないけど。まぁ何かあれば何かあるかもな」
「どういう意味だ?」
「すげー酔ってたりして、2人っきりで、なんとなくそういう雰囲気になれば、何かあるかもなってこと」
「あー、なんとなくわかるかも」
「別に嫌いじゃないっていうか、むしろ好きな部類だからな。ただ、恋愛感情ではないだけで」
「そういうもんなのかー」
「いや、よくわかんないけど」


恋愛感情がないというより、俺はきっかけがないから、としか思えない。

そう伝えようとすると、先に森山が切り出した。


「そーいえば、恋愛感情で思い出したけど、みょうじ、先輩とどうなったんだよ?」
「えー別れちゃったよ。なんか重くて」
「もったいねーな」
「そういう森山は、合コンで目つけてた子とはどうなったの?ってきくまでもないか」
「うるせー、きくだけでもきいてください」
「どーせなんもなかったんでしょ」
「そーだけど、お前こそ、別れてよかったのかよ」
「だって、まだ学生なのに結婚とか言われちゃったら…」
「あー、でもこの機会逃したら結婚相手見つからないんじゃね?」
「失礼な」
「まぁ最悪おれがもらってやるよ」
「なにそれ」


そう言いながらも、本日一番の笑顔になったみょうじを見て、なんでこいつら付き合わないんだろうと、心底思い、俺は遠い目をするしかなかった。



どうしようもない無自覚症状

titletop
- ナノ -