* 24 *
さあ、ひとイベント終えたところで、本題ですよ。
私らの感動の再会がオチついたあたりを見計らって、五条先生が声を張った。
今回の姉妹校交流会に関しての説明だった。
そんなわけでひとしきり今日の種目も説明を受けて、各校ミーティングのために別の建物へ移動をした。
ちなみに、本来ならおらんはずの人間が二人もおるわけやけど、特にルールの変更はないらしかった。
知っての通りのチキチキ呪霊討伐妨害ボコり合い対決である。
「――――ってとこかな。やれるか、虎杖」
「んー、まぁ、大丈夫じゃね?」
作戦最終確認である。
依然として虎杖くんは呑気そうで、軽いな、とパンダさんが突っ込みを入れていたが、そればっかりは彼の性分なので仕方ないことだろう。
やってみなわからんて〜〜〜〜みたいな気持ちは私にもめちゃくちゃわかる。
「まぁ、恵も言ってるくらいだし、多少は大丈夫だろう。
そのあとは二班に分かれて索敵、雑魚も含めて呪霊を討伐する」
「はーい。ところで真希さん、私、どうなりました?」
「あぁ、そうだったな」
行菱、雑魚すぎ問題なので、前々から多少作戦は練ってたらしいんだが、どうにもどう使うか、何故か迷っていたようで。
本番までにはなんか考えとく、と言って放置プレイかまされていたのである。
まあどっちかの班に適当に入ってモブ顔してそれとなく戦闘混じって、スキを見てアヤメちゃんと逃避行する感じかなとは思っているけど。
「くるるは追い込みだな」
「はい?」
「まずスタートと同時に、区域の南の端まで走れ。で、奴を発動する」
「あぁ………そっか、呪霊ノックバック」
存在を忘れていた。
が、確かにそうか。端で顕現させて、雑魚が逆サイドへみんな逃げていくならば討伐もしやすくなるわな。
「あとはカバー。オマエ、結構鼻いいだろ」
「ええ?そんなことないですけど」
「嘘つけパンダまでとは言わねえが、呪力だけで大抵の人間がどこにいるかわかるじゃねえか」
「え、いやまあそれはそうですけど、あくまで人並ですって」
「バカ言え。任務一緒に出てる以上、そんな嘘つうじねえぞ」
「え、待って待ってマジですって」
「だー!めんどくせえ!なんでもいいわ!とりあえずできるんだろ!!!」
「アッハイ・・・」
「ならお前は発動ののち全力で他メンバーの呪力を探って、京都校との接敵を回避、劣勢と思われるスポットにカバーに入る。できるな」
「ええ…!」
すごまれちまえば黙らざるを得ない。
確かに、やろうと思えば、多分、大丈夫ではある。
接敵回避はおそらく問題ない。西宮さんが空から索敵してたとは思うが、多分すぐに伏黒くんが落としてくれるはずだし、その後はのばらちゃんとの戦闘フェーズだ。
競技の指定範囲的にも、まあ多少うろついて大丈夫だというなら全体の人員把握も問題はないだろう。
「あ、もちろん、悠仁は例外だぞ。もしも真依が東堂と来ていたり、まあ他の何かがあったとしても。あくまでそこは時間稼ぎだ。ほかの呪霊接敵や京都校との接敵のカバーだからな」
「わかりました」
「んで、道中で近くに雑魚がいたらそれも狩る」
「私盛りだくさんじゃありません?」
「オマエは好きなようにカバーに入れるポジションが一番うまみあるんだよ」
「ええ…?」
まぁ確かに、こう、居酒屋のアルバイトでも、専任で席に案内する人、専任ドリンカー、専任でバッシングする人とか、専任キッチンとか色々ある中でひとりなんの専任にもつかず、追いつかなくなってきたところを手伝うポジションが一番好きだったけども。
真希さんそんなことも分かってるの。すごいわね(オネエ)。
「人数比的には恵班に入れてもいいんだが、遊軍ポジションはいても困らねえからな」
「あっこれ所謂ハブですね…!?」
「ハブってたらカバーにもくんなって言うわ」
「まぁそれはそうか……」
「恵、なんか一体、あんまり呪力食わねえ式神をくるるに持たせとけ」
「はい」
仕事の早いお兄さんはポンと小さなうさぎを出す。
まあそうですよね。ちいさい、呪力を食わない、っていうときみですよね。いっぱい出せるってことは一人で消費される呪力は小さいってことですからね。
「もしも万が一本丸、2級呪霊に接近したらそれを介して恵に伝えろ」
「うぃっす。言葉通じるんですかね」
「多少の意志疎通はできる。解除を指示しろ。それが一番わかりやすい」
「かしこいうさぎや……。わかった、じゃあ森へお帰り…!っていうからね」
小さいいきものと言うのは可愛がりたくなるもんである。
本物のウサギと遜色ないそのふわふわの毛を撫でるため、地面にしゃがみこむ。
……うさぎを小脇に抱えて森の中爆走するってこと??どんな絵面だそれ???
それを見た伏黒くんがひょいとうさぎを抱き上げて、ひとの(私の)頭の上に乗せる。
「え、え」
落ちるんじゃないかと怖くて、私はそのままビタイチ動けなくなった。
「な、なぜそのような危ないことを……!」
当の本人を見上げようにもうさぎ落ちてしまうと大問題である。あ、いや待て式神だから大丈夫なのか…?いやそういう問題じゃなかろう……!
こんなに毛はふわふわだし重さもちゃんとあるのに、本物の生き物みたいに暖かさがないのがとても不思議だった。
「大丈夫だ。立ってみろ」
「え、ええ……」
ビビりながら、出来るだけ頭を動かさないようにゆっくり立ち上がる。
爪を立てているわけじゃないが、うさぎは結構問題なく頭を乗りこなしているようだ。
「早々落ちない」
「器用なうさぎだ……」
なるほど、乗っててくれるなら行動もしやすいという話か。
意図がつかめたので少しうさぎを気遣いつつも少し顔を上げた。安定している。むしろ何かこう、くっついているという概念なのかもしれない。
「とは言えいい年こいて頭にうさぎのっけて走り回るってどういう絵面なんや」
何なら抱えているのより悪化してないか。
「まぁ、走ってついてこさせてもはぐれないけどな」
「!?じゃあそれでええやん!!!」
すばやいうさぎやん!!!うさぎって動物園でまったりしてる様子しか見たことないけど脱兎のごとく、っていうくらいやねんからそら機敏やわな。そやな!!
あっ、いや待てよ!?もしやこのうさぎの有能さちょっとした自慢なんやな少年!君実は動物大好きやもんな!?わかりづらいけどうちの子可愛いだろうみたいなやつやったんやな!?!!?大丈夫めっっっっちゃ可愛いで!!!!
「大丈夫、可愛いで、めちゃくちゃ可愛い!!!」
「は?」
「うさぎも可愛いし蛙も蛇も鵺さんも可愛いよな。わかるわかる」
「?????」
イカイシンショウさんも最高にイケてるからな!!!!!めぐみの愉快な仲間たちみんな可愛いよ!!せかいいちだよ!!!
「さ、んなことやってるうちに、そろそろ時間だ」
パンダさんが言った。
時計を見上げる。言葉の通りだった。
ほんとだな、なんて言いながら各々が立ち上がる。
集合場所はこことは別なのである。
◆◇◆◇◆
『時間でーす』
『ちょっ五条!!!アンタねぇ!!!!』
『それでは姉妹校交流会』
『スターーーートォ!!!!!』
『先輩を敬え!!!!!!』
さあ、元気な元気な開幕コールです。
学生たち一様に呆れ切った顔をしながらも、合図直後にそろって走り出しました。
「ボスの呪霊どの辺にいるかな?」
「放たれたのは両校の中間地点だろうけど、まぁ、じっとはしてないわな」
「よし、じゃあくるるいけ」
「うっす。じゃあさよなら!」
行菱、早々にボッチ。
いいもん、寂しくないもん!うさぎおるし!!
っていうかまあこの後すぐ分断なのも分かってるんで別に何とも思わんのやけどね。
ちなみに結局うささんは頭におってもらってます。
あ、りんほんのノックバック大丈夫かなあ。
元気に走り去るみんなを横目に、一人南へと猛ダッシュ。
どこだろうなあ。エリアの端っこ。なんか湖見えてきたしなあ。とりあえず迂回かな。
そして早々に、東堂先輩と思しき殺意がみんなの方にすごい速さで近寄っているのを感じる。
知っている呪力は割と追えるけど、知らないのはそれなりに近くならないと分からないから、とりあえず、今近辺にいる呪霊は雑魚だけであるってことくらいしかわかんないな。
しかも確か2級じゃすまない呪霊だったよね、本丸。
流石にそれは接敵前に逃げられるくらいの距離で感知できるとおもうけどなあ。そうだといいなあ。
さて、しばらく走って、ようやく、結界の端が感知できた。
ノックバック、割と範囲あるから、この辺りで良いだろうか、と適当なところで足を止めて、一旦、うさぎを頭から降ろす。もう京都校も解散したあたりかもしれないな。面倒だから探さないけど。
いつも通り、金具からリンフォンを外して、軽く息を吸って、発動した。
今日はこのまま、解除をしないで行くつもりなので、ひとまずは小さいサイズでの顕現だ。
ばり、と、分厚い布が裂ける音がした。
アヤメちゃんが、空間を裂いたそのくらい奥から、驚いたように私を見ていた。
ともすれば結構ホラーだなそれ。
「えっ何それ何それ、今のくるる!?」
困惑した様子でアヤメちゃんは言った。そうよ、と言って、飛び上がったうさぎを抱えるためにしゃがみこむ。
「ごめんねえ」
うさぎは体調の悪い時の飼い犬のようにだっこだっこと慌てて駆け寄ってきた。かわいい奴である。
そのまま当然のように頭の上にのせれば、何その状況!?!?!と元気に突っ込まれてしまった。
「いやあ、これ式神やからここおってもらっても全然平気なんよ」
「いやまあそれはそうとしてよ」
「いい年こいた成人女性がうさぎを頭にのせて森を爆走するの図」
「お姉さんお姉さん、成人女性ちゃうで」
エセ関西弁でアヤメちゃんは言う。
少し高めの位置で空間を裂いたこともあり、外に足だけをぶら下げて、狭間に座って浮いている状態だった。不思議浮遊系キャラだ……。
「あっせやった危ない。アヤメちゃんと話しとうと余計忘れるわ」
「あはは。まあお互いババアだしねえ」
「そうそう。で、お姉さんはこの後どんな感じの動向なん。ってきいていいのか知らんけど」
「いいよお。どうせあたしらに限ってはスポーツマンシップもクソもないでしょ」
「まぁそれはそう。そもそも両校の作戦も意図も動向もあらかじめ知ってる時点でずるみたいなもんやしなあ」
「あはは。そーゆーこと」
でも私らはわざわざそれを自陣営に伝えたりせんわけよ。
それってつまり、そういう事な訳。
いくらでも、私らが口にしたら変わる展開ってあるんだと思う。
この後、はなみさんくるし(推し!!!)あんまり戦力分散しない方がいいんじゃない、とか、京都の人たち虎杖くんを殺そうとしとるんよ、とか。
でも、そうしないのは、極力原作のラインを変えたくないからだ。
やはりトリッパーたるもの、思い至る発想は同じと言うわけだ。特に、この世界観がマジで一歩の相違でも世界滅亡しかねない、っていうギリギリの世界であるっていうのが大きいよな。
「あたしはね、ひたすら雑魚狩り。桃ちゃん先輩が索敵して、雑魚の位置情報もらって、飛んでってころす。」
「桃ちゃん先輩………!」
「そう呼ばざるをえないよねえ。ちなみにあたし索敵は苦手だから桃ちゃん先輩の情報なければ闇雲に探すだけってわけ」
ぶい、と彼女はピースサイン。
そうだな、このあとガチ喧嘩フェーズだから情報が途切れるのは大前提だな。サボれる確定だな。
「ええやん!」
「くるるは?」
「私も似たようなもの〜〜〜〜とりあえず雑魚は東堂さんをはじめ絶対にかなわないであろう京都陣営との接敵を徹底的に避け、雑魚を探して狩る。もしくはヤバイところのカバーに入れって言われてるけど、多勢対無勢っていう展開なかった気がするので基本的にカバー行くつもりはありませ〜〜ん」
ぶい、と返しておく。
タイマンはタイマンしてもらわないと。思春期の情熱を熱く語り合ってもらわないと。
原作ファン故に茶々入れしたくないこの気持ち。そう、断じてサボりではない。
でもあれやな、最終的にははなみん接敵メンツの近くにおれるようにしたいな。流石にはなみん相手では僕は援護要素にはならんと思うが……シンプルに…推し……見たい………!!!!!!
推しが来るんだぞ、遠征だろうといかいでか!!!
「あれそうなんだ、意外〜。順当に伏黒班に行くんだと思ってたんだけど」
「ね〜〜。なんか真希さんが私はその方がいいって言っておってですねえ。伏黒くんおったら甘えちらかして何もせえへんのばれたんかなあ〜」
あぁ、そうだな。きっとそうだわ。
今適当に口先だけで喋ったけど、多分そういう事だわ。
それは流石に真希さんにばれている可能性、おおいにある。
「あ〜〜〜〜〜なるほどな。何、くるる伏黒寄り?」
「いやそんなええもんではないけども。多分一応、伏黒くんが私の教育係みたいなことになっとんよなあ。
高専に入るきっかけも伏黒くんやし、きた当初は呪力のコントロールもできなくて、そのへん教えてくれたんも伏黒くんやし、任務でびゅうも付き添い伏黒くんやし。五条せんせえが彼つけとけばええやろって思ってそう」
「それを世間では寄りと言うのでは」
「好かれることが寄りでは」
「あ〜〜〜それはそれで一理。誰かいるの?」
「ん〜〜〜おらん。しいていうなら学長」
「学長!?!?」
「めっっっっっっちゃ可愛がってくれてんねん……本物夏油もびっくりのモンペやねん…助かってる、物理的に」
「マジか、そう来たか」
「私も同じことゆーたわ。という事でこれは学長寄りトリップ原作沿いです」
「学長寄りはパワーワードだなあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「かくいうお姉さんは」
「あたしは今んとこ全員にちゃんと好かれてると思いますよ!ぴーすぴーす」
「マジか流石美少女」
「顔面の威光はでかい。そしてまあ、有難いことに使い勝手のいい術式だしね。実質ドラえもんだもん」
「どこでもどあ〜〜〜〜〜!!!!」
「そうそう!」
ぶーっぶーっとスマホが鳴ったのが分かって、私は失礼、とアヤメちゃんに断りを入れてそれを取り出した。
画面には、伏黒くん、の文字。何だい、救援要請かい。絶対ないけど。
「はぁい?どした、」
通話のボタンを押して、私は故意に気の抜けた声を出した。
途端、珍しく食い気味に彼が話しだす。
『お前今京都校に絡まれてんのか』
「ええ?」
『大丈夫なのか?そっち向かうか?』
「いやいやいや、大丈夫、大丈夫よ!伏黒くんこそ今どうなん」
『こっちは今、虎杖の方面に戻ってる。どうも、京都校の人間の大半が虎杖に集中してる』
あっまだそのへんの感じなんですね!わかりましたナイス報告。
「そっか、何、きな臭い感じ?」
目の前で、アヤメちゃんが笑った。
まあ、白々しい自覚はあるんですけれども。
『…まぁな。おそらくだが、あいつら、虎杖を殺そうとしてる』
「あ〜〜〜〜〜〜〜まぁ、彼の事情面考えるとなあ…そうなる可能性はあったわけか」
あんまりに笑うもんで(当然声を殺してはいるけれども)私はつられて笑ってもヤバイのでやめろ、とその太ももを軽くシバいた。
「でもそれなら一層虎杖くん援護向かってもらわなあかんな。こっちはほんまに大丈夫やからそっちに注力してくだせえ」
『ヤバくなったら脱兎を解除しろ。鵺を降ろす、戦線離脱くらいはできるだろ』
「うん、分かっとうよ。頼もしく思っとる。とはいえこっちはお互い戦闘要員じゃないっぽいから、そんなにきな臭いこともないよ。多分、両者手は出さない」
『それ、嘘だろ』
「え゛。……相変わらず、なんでそんな秒でばれるんかなあ。
とはいえ、お互い手を出す雰囲気じゃないのはホンマやで。こっちはお互い、雑魚狩りがメインやから」
『………ならいいが』
「そう、これはホンマやで?信じて?」
『……まぁ』
「ありがと。大丈夫。私がいかに秒速で他力に頼るかよう知っとるやろ?」
『確かに。信じるからな』
「うん、そうして。ありがと。東堂さんとかレベルになると戦力として助けられへんから心苦しいけど、頑張って、頭割られたらあかんで」
『割られねえよ』
「うん、そうして。じゃあね?」
『…あぁ』
少しだけ、まだ心配そうな雰囲気を残しながらも、それ以上食い下がることもできなかったようで、伏黒くんは素直にそういった。私は最後にばいばい、と言って電話を切る。
心配症である。そしてそうか、索敵できるってことは私とアヤメちゃんが一緒におるのばれてまうわけか。そらそうやわな……。
「秒で他力に頼るの知ってるでしょっつって納得されるの大丈夫なの???いいのそれで???」
スマホをしまえば、そういって、ようやくアヤメちゃんが声を出して笑い出した。
「いやまあそれはもう生まれた瞬間からの性質やからなあ。隠す気もなければという感じ」
「マジかツワモノすぎる」
「あっはは。とは言えアレだね。これ、このまんまあんまり長時間いると、索敵できる勢に怪しまれる可能性があるわけやね」
「みたいねー。いやあ、予想外だったな。まさかそこまでモンペとは」
「確かに、伏黒くんも結構モンペではあるな。甲斐甲斐しいので」
「それはやっぱり寄っているのでは……?」
「少年は多分初めてできた妹みたいな感覚なだけやで。はじめて飼った犬とか」
「あぁ……まぁ弟な上にずっと大人の中で生きてきてそうだしね」
「でしょう」
「まぁでも、そういうわけなら、一旦はお互い、働いてるふりでもしますか。あたしもしばらくは雲隠れしないでこっちいないと」
「そうっすねえ。ってな訳で解散かな」
「だね。頃合い見てまた行くわ」
「おう助けてくれ。とは言えはなみんは推しなので見にはいきたい」
「じゃあそのあとね」
「うっす」
じゃあなー。
そういってアヤメちゃんは身軽にどろんした。いいなあ、便利だなそれ。
私は地道に足で走らねばならぬのでな。
というか、漫画のストーリーと現実の時間軸、すり合わせって結構むずいな。
もうもどりようってことは、そろそろ加茂伏黒戦始まっても可笑しくないわけだろ。
早々に合流して、はなみんをさわりだけ目撃するか?
や、でも最初にはなみに会うのは狗巻さんだったか。そっちに向かって、あわよくば先に合流、出来なければそれとなく逃亡ルート上に陣取って…って感じかな。
いずれにせよ最終は五条先生がやって来て元気に解散!って感じだろうからな。大丈夫、何とでもなる。
そうそう。とりあえず五条悟が放し飼いされてる間はなんでも大体大丈夫なんよ。
ほんとにほんとに神経とがらしてかないといけないのは、封印されてからだ。
などと本旨とは関係のないことを考えながらも、私は作戦通り、雑魚の敵の気配を探って、そちらの方へと駆け出すのであった。