* 10 *

 さぁ。
 鬼の4連勤が終了いたしました。
 怒涛だった、本当に。
 四日とも、毎日4,5件の任務をこなす。
 当然どの任務も先輩とか他の呪術師の人とか伏黒くんと一緒だったので主体性も責任も大してないといわれればそれまでだったんだけど、それにしたって!!!流石に!!!限界超えたんちゃうかってくらいえげつなく疲れ果てた。

 次の日はとてもじゃないけど起きられなくて、連勤終わって、秒で、もう絶対まだ日付変わってないってころに寝たのに、目が覚めたのが午後の三時だった。

 結局その日はそのあとごはんを食べに出て、少し、久しぶりにゆっくりお風呂に浸かって、そしたらまた眠くなって、6時頃から10時まで昼寝をかました。

 そして起きて、深夜の一時くらいまでスマホでゲームしたりユーチューブ見たりうだうだと過ごして、就寝。

 引く程なんもしていない休日だったけれど、休息、という意味ではこれ以上ない一日だったんじゃないかとそれなりに満足はしている。

 そして、翌朝。今。

 久々に授業でも出るか、という事で身支度をして、まぁ、1コマ目にはもう遅れているのでのんびりと廊下を歩いている。

「行菱」

 ふと声がかかる。伏黒くんだった。

「あ、おはよお。なんか久々やね」
「あぁ。このところ大変だったらしいな」
「そー!もうえげつなかった」
「流石にあそこまでの激務こなしてる奴みたことないって補助監督たちが褒めちぎってたぞ」
「まじか!やったぜ」
「マジであのペースはすごいと思う」
「や、でも私ついていってただけだからねえ。作戦も練らんし先頭もいかんし、ただただ先輩方といただけ」
「でも戦闘でぼけっと見てるだけってわけにもいかないだろ」
「そりゃそうやけどね?責任もなんもなかったからかろうじて何とかなっとったよね。
 初日以降は任務ごとに同行の人も変わったし、頼っちゃお〜〜〜!しか思ってなかった」
「そもそもそれでいいんだよ、この間初めて任務に出たくらいなんだから」
「伏黒くんも甘やかしてくれるタイプやなあ。まぁ厳しい人よりは助かるけども」
「甘やかしてるつもりじゃねえよ」
「ええ、そうなん?」

 などと言いながら、肩を並べて歩いていく。
 お兄さんも授業向かってるのかな。

「今日は?」

 疑問に思ったので素直に聞いてみる。

「今日は今んとこオフ」
「そっか。授業行く?」
「あぁ」
「きぐうですね〜。一緒に行きましょう」
「そうだな。あ、その前に購買寄っていいか」
「いいよ〜。おともする」

 こういう時、男の子ってじゃあ先行くわーとか言いそうだけど、女の子って当然のようについていくしついてきてもらうつもりでいるよね。
 私はついていってしまう派。

 そんなわけで二人して購買にやってまいりました。

「なんかいるか?」

 おもむろに少年がそんなことをいうもんで、いや、大丈夫よ、と返事をする。
 一緒に来たのでついでに自分のコーヒーでも買おうかと思ったが、人に買ってもらうのは違う気がする。

「遠慮だろ」
「そんなことないよ?」
「まぁ本気でいらないならいいけど…。頑張ってたから、労いくらいしてやろうかと思ったんだが」
「…!」

 なんでもないような顔で言って、そしていつも通りの涼しい顔で、少年は視線だけ私に向ける。
 良い奴かよ…!かわいいやつめ!

「気にしなくていいのに」
「別に気を遣ってやってるんじゃねぇよ」
「そう?じゃあ甘えよっかなあ」
「ん。」

 折角の厚意である。いつもの缶コーヒーを指して、これ。と言えば彼はそれを手に取って、安上がりだな、と言った。

「とはいえコーヒーは生命維持装置なので重要度は高いんよ?」
「まぁ、それはちょっとわかる」

 分かってもらえますか。
 そういって、欲しいものを選び終えたらしい彼と一緒にレジに向かった。人少ないのでね。

 そして清算を終えた後、彼が袋から缶を出して渡してくれた。
 私はお礼を言って受け取って、早々にあけてはぐいとあおる。

「ん〜!一日のしょっぱなのコーヒーは染み渡りますねえ!」
「コーヒー一つで大げさな」
「カフェインでようやく稼働始まる気するやん」
「まぁ、それはそうだけど」

 私、伏黒くんのことは勝手にコーヒーカフェイン中毒仲間だとおもってるからな。
 一日の中で、っていうか人生の中でどんだけカフェインが私の命運握っとると思っとんねん!!!っていうこの気持ち、伏黒くんだけは分かってくれると思ってるからな。
 他の補助監督とか大人たちは別としてな。その辺の高校生にはまだ分からんやろからな(要はおっさん)。

「……」
「えっ、なに?!」

 人の顔を眺めて、それからふっと笑い出すもんだから、私は思わず面食らう。

「いや、たかがコーヒーをうまそうに飲むなあ、と」
「コーヒーはうまかろう。あとはお心づかいが嬉しいなっていうのは確実にある」
「心遣い?」
「私がどちゃくそいじめられてめちゃくちゃ頑張ってたの知っててくれて、その上労ってまでくれるのってなんかこう、めちゃくちゃ愛されてるなあ!って」
「…いちいち言うことが仰々しいな、あんた」
「ああいや、変な意味ちゃうで!隣人愛とか、同級生としての愛着とか友愛とか!要はそんだけ、仲良い相手だと思ってもらえてるんやなと思って」

 ごめんごめん、素直に言い過ぎた!思春期には圧の強い言葉だったね!

 なんかでも、どんな関係、感情にしたって、そうやって意識を向けてくれて、こちら側の気持ちに寄り添おうとしてくれるのって、本当に、紛れもない愛、だと思うんだよね。
 恋愛でも友愛でも家族愛でも、なんでもそう。どれも形質や感覚って違うんだろうけど、根幹にあるのはそういう、”相手”への思いやりの気持ちとか”相手”を喜ばせたい、幸せにしたいっていう気持ちなんじゃないか、って。

 まぁ、難しい哲学的な話だから、こんなのあくまで私の個人的な意見でしかないし、普遍的な理論を、誰にでも当てはまるような文章をそこに充てることっていうのは、ほとんど不可能だというのは念頭に置いておくべきだともおもうけどさ。

「仲、ねえ」
「私、結構伏黒くんとは仲良しだと思ってるんやけど。うぬぼれかな」

 ふふ、と笑いが零れるのを耐えきれなかった。
 滅多に人にこんなこと言わないけど、まぁ、確実に、この人は私のことを憎からず思ってくれていることだろう。
 その確信があるから、ある意味信頼だね。その信頼があるから、言えることだよな。

「…どうだろうな」

 照れたのかしら。
 少年はそう、つっけんどんのふりをして言って、ふいっと顔をそらしてしまった。
 わ!かわいい!ツンデレだ!

「ふふふ」
「なんだよ」
「なんでもないです!あとごちそうさまでした!」
「はや」
「体がカフェインを求めてやまなくて……」
「…もう一本買ってきてやろうか?」
「あはは。まだ大丈夫!またこのカフェインが切れる頃に入れるから」
「そうか」

 ならそろそろ行くぞ。
 購買の前でたむろする形に成ってしまっていたので、私はその辺にある缶のごみ箱に呑み終わった缶を捨てて、教室に向かって歩き出した伏黒くんを追うのだった。



◆◇◆◇◆

「くるる!!!!!」

 学長の声がして振り返る。
 今日も元気に、モンペはパパをしているようだ。

「パ……学長!!!お疲れ様です」

 パパ、どうやら”外”帰りらしい。
 どことなく、外の匂いを漂わせながら、そして手にはいかついサイズの、ケーキの箱のようなもの。

「あぁ、お疲れ様。もう体調は大丈夫か?」
「私ずっと健康ですよ?」

 まるで人のことを病み上がりみたいに言うもんだから、どういう事か、と首を傾げて私は返す。
 が、直後、ようやく意味を理解した。

「あっ激務のことですか」
「あぁ」
「それはまぁ、確かにめちゃくちゃ疲れましたね!!!でも昨日いっぱい寝たのでもう体力は回復してますよ!」
「ならよかった。本当に何の掛け値もなく”激務”だったからな。心配していたんだが、まさか、本当にやり遂げられるとは」
「えへへ。まあ途中からはもうゾンビみたいなものでしたけどね。先輩方がおんぶにだっこしてくださったお陰です。あと、学長先生のくれた訓練ぬいぐるみちゃんたちのお陰です」
「少しでも力になれたならよかった。ほら、ベテランたちでもびっくりする激務をこなしたご褒美だ」

 そういって、先生はそのいかついケーキの箱を差し出した。

「えっ!いいんですか!!!?」
「あぁ。タルトは好きか?」
「!!!!
 大好きです!!!ケーキの中でトップを争うくらい好きです!!!!」
「よかった。詳しいことは知らないが、今渋谷で人気の有名店らしいから、多分美味しいと思うぞ」
「なんやて……!楽しみ!!!!!学長も一緒に食べますか?!」

 今から学食行く?!コーヒー飲みつつ今すぐ食べる?!?!
 なんておそらく顔に出切っているのだろうが、隠す気もないのでそんな勢いで問えば、いや、俺はいい、となぜか遠慮されてしまった。

「学長甘いものあんまり食べないんですか?」
「いや、そういうわけじゃないが」

 いや、そうだよね。絶対甘いものも好きだよね学長。よく学食でカリカリタイプのシュークリームとかオツなもん食ってるの見かけるぞ。好きだよね知ってるよ。

 っていうかこの渋谷の有名店?とかいうのもあんまわかんないけど〜〜〜〜みたいな口ぶりだったけど絶対普通に知ってたよね。タピオカとかバナナジュースとか結構お店知ってるタイプだよね。

 とはいえ原因を濁されてしまった。まぁこんなタイミングで言及するもんでもないのかなと思って、私はそのままそうですか…と納得をして見せた。

「あぁ。だから他の誰かとでも一緒に食べなさい」
「分かりました、ありがとうございます」

 最後に目いっぱいの感謝を込めて迫真のありがとうございますをすれば、学長は貫禄を取り戻した様子でウム、と頷いた。

「今回のことは確かにとてもすごいし、とても偉いが、押し付けられたからと言って無理をするんじゃないぞ」
「はい!大丈夫です、出来ないことはできないって言えるタイプです」
「パパ信じてるからな」
「だいじょうぶだよパパ」
「そうか。そうだな」

 自分を納得させるようにうなずいて、パパはじゃあなと言い残して去っていった。
 私もいかちいケーキ箱を抱えて、とりあえず部屋に戻ることにした。
 これ、このまま冷蔵庫入るかな……!?

 とはいえ、タルト屋さんのタルトだなんてめちゃくちゃ嬉しいな。

 しんどかったのも事実だし、別に大したことはしていないとはいえ同行するだけでも体力的には頑張った、と自分でも確かに思っているけれど、こんだけそこかしこから褒め散らかしてもらえると、なんだかとても、むず痒い気持ちになってしまうな。

 これが高校生…?子供ってこんなにいい環境にいたの…?

 いや、多分ここがあまりにも過保護で甘やかし体質の人が多いだけだな。
 ありがてえことだしそんなことしてくれちゃったからには私も恩返しがてらがんばらなあかんなって思っちゃうし、何よりここが好きになってしまうな。

 自己肯定感爆上がりやで。みんな好き。

 などと上機嫌に思いながら、私はるんるんで、廊下をあるくのだった。




◆◇◆◇◆



 数日後。ある日の昼下がり。
 あれはやっぱり五条悟というにゃる様的チート系トリックスター愉快犯による訓練、むしろショック療法に近い何かであったそうで。
 まあ策略と言えば策略。だがまんまとそれで任務耐性もそこそこについた挙句、体力の増強にもなってしまったので結果としては大成功な戦略だった、というわけである。

 という事で、名実ともに他の術師と変わらず、「呪術師」として私の運用も始まっていた。
 そして、軌道にも、乗ってきていた。

 ってな訳で、もうすでに、珍しくもなんともなくなった、心理的ハードルもほとんどなくなった、三級任務からの帰宅。
 いつも通り、結界に入って、すぐの所。

「あ」
「あん?」

 思わず、うっかり声に出た。
 なんだ、と真希さんが足を止める。

「あ、いや大したことではないです。見たことある建物だなと思って」
「あぁ、これか」

 そういって、目前の建物を見上げる。
 よく見慣れた、神社の、拝殿だった。

「まぁ、実際日本に存在する神社仏閣の中からランダムで顕現している感じだしな。知っている寺神社くらいあるだろうな」
「やっぱりそうだったんですね」

 と、いう事は、このよく似た神社はおそらく、他人の空似、ではなく、私の知っている「そこ」を確実に模したもの、であるということか。

 なんとなく、急に他人には思えなくなってしまった。

「真希さん、先に戻っていてもらえますか?」
「良いけど、何する気だ」
「やだ、別に暴れたり壊したりはしませんよ。違うとは分かってますけどお参りくらいしてこうかなと思って」
「そんなに信心深い奴だったのか、知らなかったな」
「いや、そういうわけではないんですけどね…。私の葬式は是非無宗葬でしてくれ、お経も祝詞もいらねえ、とは思っとんですけど」
「わかる」
「あはは。ですよね。
 でもこの神社は、なんとなく、なんだかすごくすごく、ご縁のあったような気がしている、神社なんです。まぁ、私の気の所為かもしれないですけど」

 近所……というわけではないが確実に行動の範囲内にあった、その神社。
 いうなれば、自宅と会社の中間にあるような、そんな立地で。
 お参りに行くようになったきっかけはもう忘れたが、それでも私は時折、奇跡的に定時であがれた日なんかに電車を途中下車して、この神社にお参りに行っていたのだ。

 あぁ、確か、大学も会社に近いところにあるから、大学時代に途中下車して探検していて、見つけたんだっただろうか。

「そういうのは、断言するもんなんじゃねえの。神や仏やって、そういうもんだろ?」

 意外なことに、真希さんはおもむろにそんなようなことを言った。

「あぁ、まぁ、それはそうかもしれません。勝手に信じて勝手に思い込むことで現実になる、というか」

 そうだな。神社に熱心に参拝に行くような人は、多分、私の気の所為かも、なんて言わないのかも。
 そういう「ご縁」を信じてこそ、というところがあるし。

「そうそう。ま、こんな仕事しててなんだけど、私は神も仏も信じちゃいねえから、知らねえけどな」
「あははっ。それ、めちゃくちゃわかります。私もよく言います、それ」
「最終的に信じられるのは結局自分だけだからな」
「真希さんらしいなあ」

 私はそんな強い意志をもって言っていたわけじゃないけどな。
 でも、本当に、一言一句同じことを、私も何度も、ずっと、口にしてきていた。
 そら前は葬儀屋してたんだもの。葬儀屋が仏教も神道も信じてないです興味ないですなんていってたら昔だったら多分ひっぱたかれてたよ。多分。知らんけど。

 でも私はあくまで私が信じる「神」以外は信じていないのでな。悪いけど。
 独自の宗教、というほど仰々しいものではないが、私には私だけの世界の法則がある。宗教ほどきちんと体系だってはいないけど、私には私のしきたりと作法と決まりがあるのだ。そして、私が敬う神も。

 とはいえ、その「神」様がほかでもないこの今目の前にある建物の元となった神社におられる方なのだけれど。

 だから、まぁ、しいていうなら仏教よりは神道の方が興味があったとは言えるのかもしれないなあ。
 あ、一応弁解しておくと仏教も神道も興味ない、っていうのはあくまで私的な信仰の話であって、仕事の知識としてはちゃんと学ぼうという姿勢はかろうじてあったからね。どちゃくそ上司にこびるほど熱意のある真面目な会社員だった、とは口が裂けても言えないけど。ほどほどに、ほどほどに。仕事への姿勢は平均的で一般的な会社員でした。自分で言うもんでもないかもしれんが。

「まぁでも、そういうことなら先帰るわ。お疲れ」
「はい、お疲れ様でした!」

 そういう、女子らしくないとこ、ほんとにすき。
 女子二人でいたら今の、「じゃあ私もお参りしていこうかな」ってなる流れですからね。
 もちろんそういう流れも安心感というか「はいいつもの!!これよこれ!」って感じあって好きなんだけどね。「そうではない真希さん」というのがとても解釈一致で好き。という話。

 ひらと手を振った真希さんを見送って、私はその建物に向かった。

 高専内はランダム生成マップなので、建物の前に参道はあったりなかったり、という感じである。お寺などでもそう。
 だから唐突に建物だけがそこにある、ということは珍しくない。
 
 それでも、やはり、知っている神社の拝殿を目の前にすると、参道が無いのも、いつも横を通り過ぎていたはずの社務所が無いのもとてもとても不思議な気持ちになる。
 なんというか、眼鏡キャラが眼鏡外してる時みたいな気持ち。ちゃんと脳みそで分かってるんだけど、なんだか納得がいかない。そんな感じ。

 私はあの、口をゆすぐのがどうしてもできないのだけれど(潔癖のつもりはないが、衛生的な問題で)、それでも一応いつもおてては洗わせてもらっているので、手水舎がないのも少しだけ違和感。

 でも人間、面白いもので、参道なんかないのに、拝殿の脇に来るように、イマジナリー参道の脇を歩くような位置を自然に歩いてしまっている。

 拝殿の前につく。
 流石にただの幻覚であるのでお賽銭は割愛。
 ちゃんと神社の養分になるなら惜しまないけど、なんにもならんのなら必要性は感じない。

 ってな訳でガラガラを鳴らす。
 ああ、久々にならすなあ。
 元の世界、某感染症の時世だったせいで、ガラガラが鳴らせないようにされている神社も多かったからなあ。

 そして、二礼、二拍手。陰気を払うが如く、小気味いい音を目指して。
 ちなみにこういうお参りでは元気に手を打ち鳴らすけれど、弔い事の時は手を叩く形はしますが音はならしません。しのびて、という奴です。

 さて。二度目の拍手、私はそのまま、手を合わせて、ご祈祷します。
 なんだかんだで日本人ゆえ、手を合わせたまま目をつむる、という姿勢が、お祈りにはとてもしっくりきてしまうもの。

 いつも決まった形のお祈りがあるので(大体いつもいう事が決まっているというだけ)、いつも通り心の中で唱えて。それが終わったら、最後に一礼をして、終了。

 とはいえ、この参拝方法も、地域によっては違うところがあるらしいですね。
 その土地土地の作法ほど難しいもんはない。あと人名と地名な。この三つはマジで知らないと分からない初見殺し三銃士だと思うんよ。

「よし」

 ってな訳で、お参りも終え、満足したので、私も部屋に戻るため、踵を返した。
 またこれも習慣って恐ろしいもんで、鳥居なんてないのに、さいごに程よいところで拝殿に向きなおってお辞儀をしてしまった。まぁ、感覚というのはそう変わらないという事である。

 こちらの世界に来て、早二か月。
 初めて、少しだけ、元の世界が恋しくなった日のことだった。











―――――――

学長に質問コーナー(全1回)


Q.何故くるるちゃんと一緒にケーキ食べなかったんですか?

A.くるるはなんでもとても美味しそうに食べる。そしてその美味しそうにたべる姿がとても可愛い。
 なのに目の前で嬉しそうに美味しい!とにこにこされたら可愛すぎて正気を失うからです(大真面目)



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