「うわマジ?これ言峰協会じゃん」

「ほう、知っていれば話は早い」

「ちょっと待って。ってことはあんたが言ってたキレイって」

「言峰綺礼に相違ないが?」


最悪だ。ハズレくじとかそんなもんじゃないってこれ。やめよう、絶対やめようこんなとこ。
踵を返して駅へ向かおうと走り出したあたしの腕を掴むギルガメッシュ。なにこいつ、馴れ馴れしい。


「そう案ずるな。あれも誤解を生むだけであって悪い男ではない」

「そんな誤解とかそんなんじゃなくて、あたしはあの神父に会うのが気乗りしないだけで」

「知ったことか。訂正は認めん」

「はああ?なにそれちょっと、ギルガメッシュ!」


軽々しく抱きかかえて言峰協会に迷うことなく歩き出すギルガメッシュ。
じたばた抵抗したらただでさえ乱れていた髪がもっと悲惨なことになってしまった。ちょっと、この状態で頑固だって有名なあの神父に会えと?

公開処刑もいいところじゃん。


「バカ離してっつってるでしょうが!」

「我に指図するな雑種が」

「雑種ってなによ」

「うるさい。もう助からないのだ、諦めろ」


ウソ、ウソだ最悪マジで最悪。
こんなんならギルガメッシュを無視してさっさと駅に行けばよかったもうやだホントやだ。



「どうせ神父が許すわけないじゃん、バッカじゃない。あんたにそんな発言権あると思えないんだけど」

「痴れ者が。我を誰だと心得ている。王の中の王にして最古の英雄ギルガメッシュであるぞ」



なにこいつ、やっぱ頭おかしいんじゃないの。

 



 
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