例えるならここは軟禁生活といえる。ていうかほぼインドア派だったあたしにとってここは楽園だった。母ちゃん体質な綺礼がくれるお小遣いと煽てれば調子に乗るギルガメッシュからのお金があれば殆ど買いたいほうだいで大好きなゲームばっかしてたし。
大嫌いな勉強しなくて済むしホントに楽しい、うん。楽しかったよ。
ただ今更になって焦り始めた。
「そもそも、君は高校中退という学歴の上に君の両親は戸籍を無くしているかもしれないだろう。
そんな君を雇う場所があると思っているのか?」
「ふ、へへへ…」
「あまりにも就職がしたいと騒ぐものだから調べた結果、君は事実上の"幽霊"という存在にある」
「え?」
「君の戸籍はもう存在しない」
え。ちょっと待ってなにそれ。
そりゃあもう何年も顔見せてないけどさ万一って場合考えてよちょっと。
あたしの存在ってなんなのさ。
「そういうことだ、今後もあれの教育に謹んで欲しい」
「まって言峰ウソでしょちょっと!?」
「どう思うのも勝手だが、事実は変わらん」
「くそジジィ…っ!」
ぎり、と拳を握り締めて鞄を持つ。これは一発殴ってやらないと気がすまない。
かつての我が家に向かおうと駆け出したら玄関にはギルガメッシュがいた。
「貴様の親元へ行くのだろう?我も行こう」
「…絶対に殺さないでよ、うざいから」