やっとしきりに降りつづけた雨がやみ、この協会から解放されると思うと胸が躍る。
勢いよくソファから起き上がってゴートウゥーザ・ドア!
の前にそこに仁王立ちするギルガメッシュ。
「どこへ行くつもりだ」
「どこって、駅に」
「誰が許可した?既に宿泊の手筈は整えてある」
「…………は?ちょ、ごめん聞こえなかったさようなら」
「王の決定を聞かぬと申すのなら、今一度王の財宝を食らわせても構わぬが…どうする」
「そんな脅しセコイから!冗談じゃないし!
大体あたしみたいな不良つかまえてどうしたいわけ?寝たいの」
「たわけ。貴様自身に興味はない。…始めは気のせいかと思っていたがな、どうやらそうでもなかったらしい。
ずいぶんと変わったなエルキドゥ」
え、えるき…?
エレキギターの仲間ですか、とか聞こうとしたらその目がやたら真剣だから口をつぐむ。
なにこいつマジでとうとう頭おかしくなったのかしら。
「無礼者が。まあ知らぬのも無理はない」
「そうっすよね」
「貴様の魂は我の唯一無二の友のそれだ。平たく言えば前世だ」
「――前世?」
よく見れば顔も面影があるとぺたぺた弄りだしたギルガメッシュ。
痛いうえにくすぐったい。勘弁してって。
「まあ仮にそれが百歩譲ってホントだとして、それはそれでこれはこれだから。
残念ながらあたしはただの遥希ですからごめんなさいね」
「当然だ。我の友は貴様ほど下品ではない」
「だっれが下品だ死ね!」