天気、とはあたしに対してどんだけ底知れない恨みを抱えていやがるんでしょうか。
窓を叩くようなその水滴に殺意さえ湧いてソファにフテ寝するあたし。
は?人様のお宅?なにそれ知らない。
「随分と図々しい娘を連れてきたな」
「見よ綺礼。他人の家でここまで堂々とした態度の娘は中々見れまい」
「それもそうだな」
なにその会話。丸聞こえなんですが。
ワイングラス片手に笑う言峰とギルガメッシュが余裕過ぎてむかつくので更にソファの肘掛に足を乗せてやった。
「女の癖にさほど白くないな」
「うっせ死ね!!こっちはしょっちゅう外に追い出されてるから焼けんのよ!」
「日焼け止めとやらは塗らぬのか」
「あんなんで防止できたら誰も日傘なんて作んねーし」
ああ最悪。日焼け超気にしてたのに。
ってか誰だよ今年の夏は涼しくなりますーとか笑顔で言ってたやつ。詐欺罪で捕まれ。しかも外の雨のせいで湿気がハンパじゃなく蒸し暑い。なにこれ殺すの。
「暑い、ギルガメッシュ扇いで」
「面白い。我を足蹴にするつもりか」
「客を持て成すのは仕事じゃんフツー」
安心してよ、雨やんだら帰るから。
つまらなそうに口を結ぶギルガメッシュにざまあみろと優越感にひたった。