「ウェイバーさんウェイバーさん!!」

「な、なんだよまだ居たのかよ」

「げへへ、マーサさんとお話してました」

「内側から侵食していく気か、白アリなのかオマエは」

「オマエじゃないですよ春子ちゃんって呼んでくださいよー照れ屋さんなんだから!ねえライダーさん!」

「うむ。それでも男か坊主、女子の好意は寛容に受け入れてこそ男子たるものの心得だである」

「…それオマエの理論だろ」

「ウェイバーさんが受け入れるのはあたしの愛だけなんですよね!きゃー一途!素敵!」

「都合よく解釈するな馬鹿!!」


「さてウェイバーさん」

「また無視かよ」

「そろそろ就寝の時間ですね」

「…そ、それがなんだよ」

「膝枕しますか?添い寝しますか?それとも夜のいとな」

「うわああああもう黙れオマエはあああーー!!」

「坊主には少々刺激が強すぎたようだのう」

「本当にウブですねウェイバーさんは!でもそんなところもひっくるめて好きです」

「あああもう嫌だイギリスに帰りたい…」

「やだウェイバーさんあたしをローマに連れて行ってイチャイチャする気ですか!くそうこのイケメンめ!」


駄目だこいつに人間の言葉は通用しない。がっくりと脱力感に見舞われながらベッドに倒れこむように伏すと、何食わぬ顔でそいつがもぐりこんできた。

「ばっ、何考えてんだよ馬鹿!!」

「狭いですね、もう少しそっちに詰めてくださいよー。これじゃあウェイバーさんとうふーんあはーんなこと出来ないじゃないですか」

「しなくていい!!」

「私の溢れんばかりの色気で悩殺☆大作戦が潰れちまいましたよもう!」

「中々愉快な伴侶だな坊主」

「ボクの味方はいないのか…」

「あたしはいつだってウェイバーさんの味方でごわす!安心してちょーだいな!」

「不安しか感じないよははは」




なんでこんな展開になってるんだ。

聖杯戦争中にこんな重荷を背負うとは、つくづく自分はライダーと違い運に恵まれていないようだ。
深々と溜息をついて恨めしそうに能天気な少女を睨んだ。




不安な日常


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