それから、だ。問題はここからなんですよ奥様方。 突然の所有物宣言のあとからの記憶はないのですよ。あれ、確かウェイバーさんが最後に何か叫んでた気がしたけれど…まさか、 「ぐあああああああ!!ウェイバーさんのお言葉を聞き逃したああああぁぁあぁああぶへっ」 「黙れ雑種」 「あれギルさんですか?いやーいい天気ですね、ぽかぽかしちゃいますね」 「阿呆か。今を何時かと思っておる」 「え、そんなの知らな……。ん?んんんん?なんでギルさんが居るんですか」 「あの雑種から貴様を貰い受けると言ったはずだが」 「えええええ聞いてないですよそんなの!ちょ、ウェイバーさんから離れたらあたし死んじゃいます!!ギルさん!!」 「知るか。我の決定は揺るがぬ。貴様のことは時臣にも言ってある、好きなだけ使用人なり使うが良い」 「いやいや解決になってませんから!あたしにはウェイバーさんのお嫁さんになるという義務があるんです! ああああこうしてる間にもウェイバーさんの腹チラを見逃すかもしれないんですよ!」 「……あの雑種からは引き剥がして正解だったかもしれぬ」 「なんですかそれはあああ!!返してください!マイプリンスのところに返してください!うわあああんっ」 「少しは黙ることを覚えたらどうだ」 「誘拐ですよギルさんーーっ」 前方を確認、ドアが一つあります!ギルさんの後ろに。 左を確認!窓があります、鍵が掛かってますが。 ならば後ろを確認!! 「…ひ、」 「ひ?」 「ひぎゃああああ!全身タイツが居ます!なにこれ怖い!!」 「ああ、貴様は見たことがなかったな。アサシンだ」 「朝死んだ!?ゆゆゆ幽霊ですか!」 「阿呆。暗殺者だ愚か者が」 そんなひとに背後取られるってあたし、人生初めての死亡フラグ。 |