「ウェイバーさんお早うございます!」

「…ん、……おはよう」

「ライダーさんもお早うございます、朝ご飯できてますよ!」

「おお、それは在り難い。腹が減っては戦は出来ぬと言うからな!」

「サーヴァントには必要ないだろ!何言ってるんだよ!」

「マーサさん達はまだ就寝中だったので、先に運んできちゃいました。机出しますねー」


手際よく折りたたみ式の机を立てて、トレイに乗せた朝食を並べる。これって夫婦っぽくないですかね!
毎朝仕事に出かける夫に朝食を振舞う嫁の図じゃないですかね!いやでもいっそ熟年夫婦でもいいかもしれない、慣れたものよ!てきな。


「今日はミネストローネとパンとジャムです」

「スープと主食の差が激しいな」

「やだウェイバーさん激しいなんて…優しくお願いします」

「なんでそこしか聞いてないんだよ!馬鹿だろオマエ!」

「ライダーさんには食パン三枚ありますよー」

「ほう。気配りが上手いのう小娘!」

「なんで自然に無視するんだよ!」

「いただきまーす」

「おい!」

「騒々しいぞ坊主」


ライダーさんに指摘されて眉を寄せながらパンにかぶりつくウェイバーさんが可愛い。なんだこの素敵な人は。

は、鼻血が出そう。

「あ、そうだウェイバーさん!」

「…なんだよ」

「ウェイバーさんのパンツ洗っておきました!」

「ブッ」

「汚いぞ坊主」

「いつ盗ったんだよ!」

「やだ盗ったなんて…。ほら色移りしたら大変なのでこれだけ手洗いしただけですよ、大したことじゃありません」

「充分大したことだよ変態!返せっ」


あたしの手からそれを奪い取ると、物凄い勢いでパンを食べてミネストローネに手を伸ばしたウェイバーさん。
ライダーさんがそれをまるで我が子をみるように和んだ目で見つめている。否定するけど、やっぱりライダーさんがウェイバーさんのお父様なのではないだろうか。だとしたらあたし本当に親公認の伴侶なのね!死ねる、今なら死ねるよ悶え死ねるあたし。


「幸せすぎて今ならあたし剣を飲む大道芸だ出来そうです」

「どんな喜び方だよ!おかしいだろ!」

「余の剣で良ければ貸してやろうか」

「本当ですか!おねがいしま」

「死ぬぞ馬鹿!オマエも乗るなライダー!」

「ウェイバーさんそんなにツッコミして疲れないんですか?もしや今まで練習を積み重ね…」

「お前たちがそうさせてるんだろ!練習なんてしてたまるかよ!」


ああもう嫌だと嘆きながらミネストローネを飲み干したウェイバーさん。おかわり要りますかと問えば大きな声で拒否された。何故!あんなにいい食べっぷりだったのに!

「ボクはオマエと違って暇じゃないんだ!」

「あたしだって暇じゃありませんよ!ウェイバーさんのあれとかそれとかに想いを馳せてですね…!」

「…敢えてそれには触れないでおく」

「ウェイバーさんと結婚したら子供は何人どちらに似て性別はどっちがいいとか」

「触れないっていっただろ!」

「それの部分には触れないと言われたので、あれの部分を離しました」




胸を張ってそう答えた春子に溜息すら出なくなった。





晴れ渡る未来予想図


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