ぬぼーっとウェイバーさんの匂いの残るベッドに体を沈める。
暇だ、暇すぎるんだよウェイバーさん。ギルさんが去ってから更に2時間。昼寝でも致そうか。
瞼を閉じて深い闇の世界に意識を沈めると、遠くでウェイバーさんの声が聞こえた。

幸せな夢になりそうである。


「なにしてるんだ!起きろ馬鹿!」

「あーウェイバーさんの声が聞こえる…はっ、もしや愛しさのあまりの幻聴に…!?」

「居るわ馬鹿!そこはボクのベッドだろ!起きろよ!」

「ぎゃふっ!あ、愛の布団剥がし…!」

「愛は無いわ変態!」


ぷんすかと腕を組んでイライラしたご様子のウェイバーさんが目の前にいた。
しまった!お風呂沸かしてないしエプロン付けてない…っ、佐藤春子一生の不覚でござる!


「こうなればエプロンの変わりにウェイバーさんのパーカーで裸パーカーやります、これが女の責任の取り方です」

「オマエ他の女まで纏めるなよ!そのまえにボクのパーカーを如何わしいことにつかうな!」

「ほう坊主。どの辺りが如何わしいというのか?人間ありのままの姿であろうが」

「ライダーは黙ってろ!そんな、お…女がそんな格好していいわけが」

「ッウェイバーさん!女の方に免疫ないんですかあぁ!こんなにカッコいいのに!うおおっしゃああ安心したチェリーはあたしがもら痛い!痛いですウェイバーさん」

「無駄口を叩く暇があるならもっと有意義に使えよ!」

「だからウェイバーさんに想いを馳せることに使っています!」

「あああもうこいつと話すの疲れる!」

「緊張しなくたっていいんです、夫婦の間にそんなもの必要ありません」

「見せ付けてくれるのう」

「一体何をだ!!」


しゃがみ込んで涙目になるウェイバーの頭に、大きな手を乗せるライダー。
慰めるなと声を荒げて振り払うその姿は反抗期の子供そのものである。

「ウェイバーさんウェイバーさん、」

「今度は何だ!」

「やっぱりウェイバーさんは照れてるんですね」

「は?」

「本当はあたしに惚れちゃってるく・せ・に!痛い痛い痛いです」

「その愉快な思考はどこからやってくるんだろうな。ははは」


ぐにいと頬をあらん限りの力で伸ばすウェイバーさん。よく伸びるでしょう昔からよくやられたのだ。
何よりウェイバーさんがあたしに触れる二度目の機会!これはもうお赤飯を炊いて盛大にお祝いするべきなのですよ。



「やっふぁりウェイワーふぁんのあいはいひゃいれす、れもうれひい」

「人語を喋れ変態」






このあと更に力を強くされたのは言うまでも無いことだろう。


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