あのあとウェイバーさんに説明された聖杯戦争はなんだか小難しくて理解できなかった。
昔の英雄の霊を呼び出してぴーこらぴーこら戦うらしい。それの優勝商品的なのが聖杯といってどんな願いでも叶う釜なんだとか杯なんだとか。


「で、ウェイバーさんはあたしに何が言いたいんですか?」

「この家はボク達の拠点となるアジトだ。だから危害を加えないようにするにはオマエが居たら困るんだよ!!」

「つまりあたしに傷が付くのが見てられない!堪えられないぜこんちくしょー!ってことですよねやだぁあたし愛されてる」

「然り。坊主は小娘に危害が及ぶ事を危惧しておる」

「違うって言ってるだろ!!常識!ルールとして一般市民は巻き込んだら厄介なんだよ!!」

「カリカリしちゃうんならカルシウムをお摂りなさい!身長伸びるしいいよ、カルシウム。牛乳に相談だー」

「誰のせいだと思って…っ!第一何を相談するんだ馬鹿」

「知らないの?身長伸びない人が牛乳に…」

「あああああもううるさい!!行くぞライダー!」

「む?どこにだ坊主」

「こいつが居ない場所にだ!」

「あたしはお風呂沸かしてエプロン付けて待ってまっす」

「待たなくていいわ!!」

「ライダーさんお土産期待してますねー!」

「スルーか!」

「おう、期待して待っているがいいわ!」

「きゃーさすが男前ーっ!」

「聞け!!」

「ウェイバーさんのパンツが今日はグリーンってことですよね?大丈夫ですちゃんと聞いてますよ!」

「何の話だよ!ってかなんで知ってるんだ!」

「乙女に野暮なこと聞かないでくださいよ…きゃっ」

「なあライダー。こいつは殺してもいいと思うんだ、いっそ消したほうが世界のためになると思うんだけど」

「そうカリカリするでない。男子たるもの如何に妄言を吐かれても堪えて受け止めてこそ新の男というものよ」

「……納得いかない。いっそ男じゃなくてもいいからこいつを殺させてくれライダー」

「うぇ、ウェイバーさんの女装で私を萌え殺す気ですね!!なんていう幸福死…っ」

「誰か通訳を呼んできてくれーー!!」

「心配無用!あたしとウェイバーさんは心と心で通じ合っているので言葉なんて必要ないのです、うわっはっはっは」

「…もう嫌だ…。なんでボクばかりこんな…」





…イギリスに帰りたい。


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