「セイ…ハイ、センソウ?」

「そうだ。一般市民を巻き込むわけにはいかないんだよ、頼むからボクにはかかわらないでくれ」


「そう、ですか…」


ボクたちの傍に居ることがいかに危険なのかこの女がいかに理解していないのか。
全て話したところで理解なんて遠く及ばないだろうから、簡潔に内容を話した。ふるふると肩が震えるこいつに少し胸が痛むけど、これが最善の策なんだ。

「だから、まあ、気持ちはありがたいけど」

「…んな」

「え?」

「そんなカッコいい言葉、反則ですって!!あたしが巻き込まれない為に引き離すなんてイケメンの…あ、間違えた。ヒーローの定番じゃないですかあああぁぁ!!」

「なっ!」

「そんな優しいウェイバーさんが大好きです大丈夫あたしはウェイバーさんの為ならゾンビになってでも蘇りますぜーなんちって」


ムードクラッシャーだ。ライダーが腹を抱えて笑っている。

…人が心配してやったらこうだ!二度と下手になんて出てやるものか!

「あたしはウェイバーさんに会えなくなる方が辛いです」

「!」

「もし!もしあたしが見ていない間にウェイバーさんの着替えとか腹チラ…ごほん、ちょっとしたチラリズムとか見逃したらどーしやがるんですか!そんな一生の不覚を負うくだいだったら死んででも監視してやりまーす」

「頼むから!本当に頼むからボクの好意を返せ」

「やだウェイバーさんあたしのことを…!ちょっともうこれ結婚しかありませんよ!最早同棲まで来てるんだからここはもう子供の一人二人産まないとですよねお父様!」

「うむ。うぬらのお稚児となれば容姿は…まあ期待はまあまあだが玉のように愛いことであろう」

「ほら聞きました!?ウェイバーさんのためならあたし、子供でサッカーチーム作れるくらい産みます」

「真剣な顔してボクの意思は無視か!」


拗ねたようにベッドにくるまってしまったウェイバーさんが堪らなく可愛くて鼻を押さえ込んだ。
そっとティッシュを差し出してくれるライダーさん本当に素敵。ウェイバーさんの次くらいにカッコいい。
恨めしそうに布団から顔を覗かせるウェイバーさんに首をかしげた。


「そんなに熱く見つめなくても、好きなだけ見ればいいじゃないですか!準備は出来てます!」

「いやだから何の準備だよ!ってうわああああ!!脱ぐな脱ぐなチャックに手を掛けるな馬鹿アアァァァアァ!!」

「もうツンデレさんなんだからあん。そろそろデレないと春子ちゃんのポイズンクッキングが飛んじゃうぞっ★」

「版権無視かオマエ!!」



もうやだこんなんで聖杯戦争が始まったら確実に負ける。
どうかこいつが居なくなるまでは平和でいさせてくれ。


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