※数年後
いくつか嘘をついたエドガーさん



「父親の都合で日本に来ることになった」「君は本当にしつけがなっていないな」「こんな問題も解けないのか?」「この課題は昨日提出のものだったはずでは」「へらへら笑えばいいというわけではない」「いつまでたっても子どものような顔」「タキシードが壊滅的に似合わない」「相変わらずのお子様味覚だな」「君なんかと付き合う人間は苦労がたえないことだろう」「私も暇じゃないんだ、いちいち連絡してくるな」「さようならだ、エンドウ。おめでとう」―そうです、私は嘘をつきとおしました。喫茶店から出ていく後ろ姿をきちんと見送りました。彼とは中学生のときに出会いました。それから私は自ら望んで日本に留学し、数年間に渡り彼と良好な友人関係を築けていたと思います。しかし、私はそれを今日捨てました。絶対に、何があっても口にしたくなかった言葉を、安っぽい味の紅茶が入ったカップに叩きつけたのです。彼が私の大好きな笑顔で好きな人できた、と、そう言ったとき、叫ぶのをこらえきりました。神様はこの件だけでも来々々々々々世まで私の幸福を約束すべきです。私と、彼の幸福を。私と彼との幸福をどうか約束してください。そうでなかったなら、私の嘘ばかりの数年間は浮かばれないのですから。




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