*お題詰め合わせ




ランチアさんがうちに顔を出しに来てくれた時は、大抵リボーンがコーヒーを淹れる。そしてそれを大体ご相伴に預かるんだけども、ランチアさんはいつでも真っ黒なブラックを飲み干した。あたしはその向かいで、ミルクをたっぷり足す。

その違いは、今の今まで全く意識してなかったのだけれど、今日は何となくランチアさんを真似て、ブラックのまま飲んでみようかな、と思い立った。きっと苦くて、一口味見したらすぐにミルクを入れるだろう。

と、思いきや。



「…あれっ?」

「どうした?」

「ああ、いえ、大丈夫です。」



これが意外にも美味しかったから驚きだ。前にも何度か飲んだことはあるけど、そういう時は必ず甘いケーキがある時だったし、初めて口にした時は、顔をしかめるほど苦かった筈が。

成る程、これが大人になると言うことか…。味覚一つで大袈裟だけど、少しランチアさんに近付いたと思うと、なかなか感慨深い。



「大人の階段は、知らない内に上るものなんですね…。」

「…!?」

「言い方が紛らわしいぞ。」

「え?」




階段を上る




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